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カメラを携え、世界の辺境の地へ ライフワークは軽井沢の別荘スケッチ

写真家 小谷 明さん

ph_201310_01.jpg 小谷 明さん
「自然と人間の関わり合い」をテーマに、世界の山岳地帯の写真を撮り続け、多くのガイドブックや写真集を発表している。
 中学から大学まで山岳部に所属し、夏は山登り、冬はスキー登山に明け暮れた。大自然の中に身を置いたときの感動を伝えようと、学生時代に山岳スキーの写真を撮り始めたのが、そのまま職業になった。
 スカンジナビア半島北部のラップランドではスキーのルーツを探り、アルプス山脈東部のチロルでは、純朴に力強く生きる人々にレンズを向けた。被写体選びは、知識の"面"と、興味の"点"を意識している。
 「"面"を知ろうと思うと、ガイドブックに載るような写真を撮るのが一番。現場へ行って、自分の興味の湧いたものが"点"となり、それらを線でつなげていくのが面白い」
 今年5月、80歳の世界最高齢でエベレストに登頂した三浦雄一郎さんとは旧知の仲。ともに日本アルプスを始め、世界の山々を巡った。1970年にはエベレスト登山の最終キャンプ・サウスコルから、スキーで直滑降する三浦さんの写真を撮影。同年行われた大阪万博のネパール・パビリオンでは、5m×25mの壁面をヒマラヤの写真で飾った。
 「何度も死に損なっているんです、彼も私も。彼は職業と人生が一体で、以前から目的のために努力することを全く厭わなかった」
 両親に連れられ、子どもの頃より夏は軽井沢の別荘に滞在。外国人のユニークな作りの家が、自然の中にとけ込んだ風景に魅了された。1960年代より半世紀以上、古い別荘のスケッチを続けている。
 「当時でも既に失われた別荘が多かった。もっと早くから描いておけばよかったと思っています。全て残っていたら世界遺産だろうね」
 白髪は増えたが、長髪にひげのスタイルは、20代の頃から変わらない。外国でも顔を覚えてもらいやすく、すぐに知り合いができる。
 「『東洋から来たキリスト』と紹介されたこともありました(笑)。日焼けしなくて肌が荒れないので、ヒマラヤでは便利でした」
 来年80歳。身体に具合いの悪いところがあっても、「ちゅうぶる(中古品)の自動車に乗っているようなもの」と割り切って考えるようにしている。
 別荘スケッチは2010年より、雑誌「軽井沢ヴィネット」で好評連載中だ。
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