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23年間の作家生活で初めて、かつて抱いた「殺意」を描く

作家 村山 由佳 さん

_DSC0024.jpg 村山 由佳 さん
 『星々の舟』(2003年)で直木賞を受賞。恋愛、性愛をテーマに数々の作品を発表し、母娘の確執を描いた自伝的小説『放蕩記』(11年)も話題を集めた。最新作『ラヴィアンローズ』(集英社)は、夫のモラハラに悩み、年下デザイナーとの恋に溺れる女性の心情を書いた長編サスペンス。23年間の作家生活で初めてテーマに据えた「殺意」は、自身が実際に抱いた感情を元にしている。
「そこまで切羽詰まった気持ちはそのときっきり。もっと激しい感情だと思っていたけど、心はしーんとした状態。私にとって小説を書くことは、一言で言い表せないことに名前をつけていく作業のようなものだと思うんです。読んでくれた人が自分の問題に気付いてくれれば、私自身も独りじゃないと思える」。
 ものの置き場所に悩み、広い家を求めて2009年、東京から軽井沢へ移住。私生活が癒されているときに小説を書けなくなった経験から、軽井沢で満ち足りた生活を送ることに不安もあった。が、「都会のど真ん中にいたときより、人との関わりが純化されて見えやすくなったのか、一つ一つの物事をより深く考えられるようになりました。満たされた状態で、どん底も、幸せの頂点も書けるのが一番のプロフェッショナル。そこを目指したいんですけどね」。
 物心ついたときから、いつも近くにはネコがいた。今も4匹に囲まれて暮らし、Twitterでも愛猫の話題をよく発信する。16年間、寄り添ってきたメスの長老もみじは、言わばソウルメイト。短編集『ワンダフル・ワールド』(16年)収録の「TSUNAMI」は、いつか訪れるもみじとの別れの日を思い書いた。
「そばにいることだけが一緒にいることではないし、目に見えることだけが全てではない。そう考えられたら、ネコに限らず、誰かを見送ることって楽になるんじゃないかな」
 執筆のエンジンがかかるまで、趣味の庭いじりに没頭することも。『ラヴィアンローズ』の主人公・咲季子も、自宅の庭で様々な品種の薔薇を育てている。
 「不思議なもので、自分の気持ちが殺伐としていると、庭も荒れるんですね。咲季子の庭ほどではないけど、今はだいぶ良くなってきている」。
 緑の生い茂る庭には、色とりどりの花が夏の日差しを浴びていた。
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