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軽井沢での太陽光発電、経過とその後…

検証3 南軽井沢・発地メガソーラー

ph_201508_01.jpg発地・馬取のメガソーラー(2015年7月撮影)
 軽井沢町は2011(平成23)年9月に『再生可能エネルギー利用推進の町』宣言を行った。東日本大震災のあとで人々の関心は高く、町民からも好意的に受け入れられたが、4年近く経つ間に、景観とメガソーラーの問題などの摩擦が起きてきた。

積極的に推進する町
 軽井沢町は、町民の太陽光発電システム導入を補助する対策、役場に電気自動車の急速充電器を設置、公共施設にソーラーパネルを取り付けるなど、積極的に推進を図った。町内には民間業者の太陽光発電施設が次第に増えていった。全国的にも太陽光発電施設は増大し、2015年2月には非住宅施設で原発70基分を超える7090万KWが認められている(経済産業省HP)。

反対運動が巻き起こる
  2014年に入ると全国各地でメガソーラーによる自然景観の破壊が問題となり反対運動が起こった。軽井沢でも2014年9月に株式会社JMSが発地・馬取の敷地99,663㎡(約30,200坪)にメガソーラーを計画し、反対運動が展開された。2014年10月、軽井沢自然保護審議会及び町長は建設を認め、今年1月から工事が行われている。
 長野県は2015年3月にメガソーラー建設は環境アセスの対象になると発表した。軽井沢町は2013年3月に太陽光発電施設設置基準を設けたが、敷地の広さに対する上限が決められていなかった。発地・馬取のメガソーラーの反対署名が町役場に提出された際、町長は「今後は状況の変化を考慮し、軽井沢での太陽光発電のあり方を議論していかなければならない」と言及。そして今年7月の自然保護審議会で町長から2ha以下という数字が出された。

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軽井沢自然保護審議会

 7月の軽井沢自然保護審議会では、下発地に新しく計画されている太陽光発電施設と「太陽光発電施設設置基準の改正」についての審議が行われた。委員の一人が「ソーラーパネルが並んでいるのがいいのか悪いのか判断できないので、皆さんの意見を聞きたい」と言った。「発地のメガソーラーを見てきたが、パネルは機械的なものなので自然にはマッチしない」「道路から見ると威圧的。軽井沢のような観光地にはどうかと思う」と否定する声もあったが「時間の経過とともに馴染んでくる。20mもの木をほったらかすほうが問題だ」「違和感はない。設置する場所に問題がなければよい」と肯定する声もあった。「環境アセスを入れないのか」という質問が出たが、事務局(町役場生活環境課)は「環境アセスは県でも森林30haからというかなりの広さだ。ここでは2haなので入れない」という回答だった。
 下発地の太陽光発電施設は承認され、設置基準の広さの上限も2haで了承された。

【取材を終えて】ソーラーパネルが並ぶ景観に対して様々な意見が出た。「目に馴れてくれば違和感はない」という意見には驚いた。緑美しい軽井沢を求めて、初めて訪れる人が大勢いることが分からないのだろうか。一方、「再生可能エネルギー利用の推進というのは企業が利益を生み出すためのものではない」「自然を犠牲にしてはいけない」という声もあった。軽井沢自然保護対策要綱に付随した委員会である以上、「自然を保護する」を基本において審議してほしいと感じた。(広川小夜子)

Voice
 軽井沢町議会議長 内堀次雄さん
「2011年に町議会で決めたことは再生可能エネルギーを『作る』ということではなく、『利用を推進する』ということ。当初は町の公共施設にソーラーパネルを付け、一般家庭にも普及するようになればいいと思っていた。今後は小水力やバイオマスなどをもっと取り入れることも必要だ」

ノンフィション作家 桐山秀樹さん
(軽井沢歴20年、軽井沢に関する本を多数執筆)
「もともと軽井沢は木陰の文化でなりたってきた避暑地。全国的にソーラー発電が増え、開発も進んでいるのだから、なおさら軽井沢は自然を守り景観を第一に考えるようにしたほうがよい。自然エネルギーはそのことを踏まえた上で進めるべき」

軽井沢町新軽井沢在住6年 Kさん
「政府が原発再稼働を進めようとしている今、太陽光発電や地熱などできるだけ自然エネルギーを増やす事を進めるべきだ。電気を使う以上、軽井沢でも発電することは必要。なるべく木を切らず、休耕田や空き地を利用したほうがよいと思う」

軽井沢町旧軽井沢在住12年 Sさん
「メガソーラーの敷地面積が6000坪までOKということになったが、6000坪の広さにパネルが並ぶことを想像するだけで、リゾートとしての歴史ある軽井沢には似合わない風景だということがわかる。自然愛の心を育てるゆとりある軽井沢になってほしい」

設置基準を知っていますか?
軽井沢町の太陽光発電施設設置基準(地上に設置する施設の場合)

1、保養地域のうち、第1種低層住居専用地域(特定道路から望見できない場合を除く)には設置できない。
2、保養地域は、敷地境から10m、保養地域以外の地域については、敷地から5m後退。
3、施設等の地上高は原則10m以下。太陽光の反射等により影響が生じるおそれのある場合は、防眩処理等の対策を講じる。
4、関係区長に施設計画を説明するとともに、近隣への説明範囲については、計画敷地面積が1haを超える場合は、施設外周線から100m以内、計画敷地面積が1ha以下の場合は、施設外周線から50m以内の範囲とする。
5、原則的に周囲への植栽(状況により常緑樹とする)を行う。
6、フェンスを設置する場合の色は茶系、同高の植栽により周辺景観に配慮し境界線から後退させる。
7、太陽光発電施設の土地利用行為における計画敷地の合計面積は、原則として2ha以下とする。

【設置基準の問題点】
●敷地の上限が決められたが、2ヘクタール(6000坪)でいいのかどうか。
●樹木伐採の制限や環境調査を考慮する記述に欠けている。
●保養地(第1種住居専用地域)には設置できないと書いてあるが、特定道路(国道やバイパス)から望見できなければよいとなっているので、別荘地の大半に設置できることになる。
●常緑樹が義務付けられているわけではないので落葉樹になる場合もあり、葉が落ちたら見えることになる。
●既に原発70基分に相当する太陽光発電施設が認められているのに、実際は15%しか使われない。送電線や蓄電技術が進まない限り、施設を作っても無駄になることが示されていない。

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