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軽井沢新聞 スペシャル
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軽井沢高原文庫30周年

その軌跡と功績をたどる その1

ph_201507_01.jpg今年は開館30周年記念特別展として室生犀星の2回
目の展覧会「室生犀星~金沢と軽井沢」を開催してい
る(10月12日まで)。
 軽井沢高原文庫が開館したのは1985年8月10日。軽井沢町やつくば市で古書店を経営していた岡田富朗さんと藤巻進さん(現・軽井沢町長)が出会い、共に文学館建設の夢を膨らませて実現した。当時、長野県内でもこうした文学関係のミュージアムは珍しかった。「軽井沢では作家が多く滞在し、作品も足跡も多く残っている。軽井沢が文学的な意味でも大切な場所だということを伝えたい」と藤巻さんは思った。ちょうど、旧軽井沢にある堀辰雄山荘売却の話が持ち上がり、藤巻さんは堀夫人に相談し寄贈を受けて、山荘を文庫敷地内に移築した。
 第1回目の展示は堀辰雄だった。「最初は何もわからず夢中でした。堀多恵子さんの家の土間いっぱいに本を広げて、展示の本をどう並べようかと考えていたことを思い出します」当時学芸員として入社したばかりだった大藤さん(現在、同文庫副館長)は当時を振り返る。
展示はこの30年の間に約120回に及ぶ。これは膨大な資料がこの軽井沢に集められ、多くの人々が軽井沢ゆかりの文学に関心を高めたという記録でもある。
 「堀夫人や室生朝子さん(室生犀星長女)など 作家や文学関係者の交流が深まり、皆さん快く力を貸してくださいました」と大藤さん。軽井沢ゆかりの作家たちの展覧会の中でも、堀辰雄、遠藤周作、北杜夫は2回開催した。

(次号へ続く)

次号では、軽井沢高原文庫のその後の歩みと多岐にわたる活動について紹介します。

軽井沢高原文庫30周年

その軌跡と功績をたどる その2

ph_201509_01.jpg林の庭で行われる高原文庫の会。夏はこのほか、『高
原の文学サロン』も開催。
 【前回は】軽井沢高原文庫が創立したいきさつや、第1回目の展示から今まで30年の間に約120回もの展示が行われ、膨大な資料がこの軽井沢に集められ多くの人々の関心を集めたことなどを掲載。

堀辰雄山荘でも展示
 展示は年に3~4回開催するが、特に夏を中心に行う特別展は注目を集める。特別展はどのように決めているのだろうか。特別展は『生誕○○年』など節目となることを選ぶことが多いそうだ。今年の開館30周年記念展は北陸新幹線開通ということもあり、金沢市の後援も得て室生犀星を選んだ。また、堀辰雄山荘でも展示を開くことがあり、今までに立原道造の展示や『加藤周一全著作展』など様々な展覧会を開催した。
 2009年に行った北杜夫の『どくとるマンボウ昆虫展』には天皇・皇后両陛下が来館され、興味深くご覧になったという。

文学者も集うパーティー
 毎年8月に開催する「高原文庫の会」は同文庫「友の会」の会員の親睦会。軽井沢で夏を過ごす作家たちの交流の場でもあり、文学ファンにとっては直に作家たちに会える魅力のパーティーだ。毎回、講演があり、なかなか聞けないエピソードが聞かれる楽しみもある。遠藤周作の長男・遠藤龍之介さんは、イタズラ好きの遠藤周作のとんでもないイタズラやエピソードなど「おもしろトーク」を披露してくれた。
 軽井沢高原文庫の活動が広がり、ネットワークも深まることによって、文学碑の建立や作家の別荘の移築の話も持ち上がっていった。

文学の枠を超えて文化を発信
 政治家の鳩山邦夫さんが中心となった「立原道造詩碑」、ガラスでできた珍しい文学碑「中村真一郎碑」、野上弥生子の茅葺きの「書斎兼茶室」、朝吹登水子の「睡鳩荘」など、文学にまつわる軽井沢のメモリーが残されている。
 また4年前から「睡鳩荘」での朗読劇を開催するなど、今や文学だけにこだわらず活動の幅を広げている。「美術・音楽・建築など文学と密接につながる軽井沢の芸術文化を発信します」と副館長の大藤敏行さんはにこやかに話してくれた。

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