軽井沢現代美術館

森の中の隠れ家美術館

草間彌生や奈良美智、白髪一雄、名和晃平、ロッカクアヤコなど、海を渡り世界で高い評価を受け 日本人アーティストの作品をコレクションし、テーマに合わせて展示している東京・神保町の画廊が運営する美術館。

館内には1階常設展示室、小展示室、2階企画展示室があり、それぞれ企画展を開催。2階ギャラリーでは、版画作品や彫刻、気軽に飾って楽しめるアートポスターを展示・販売している。
ミュージアムグッズコーナーでは、アーティストのグッズや書籍、オリジナルノートやバッグなど、来館の記念になる商品を取り揃えており、緑に囲まれた美術館でゆったりとした時間を過ごす事ができる。

2024年は4月25日(木)~11月24日(日)開館。

詳細情報は当館HPをご覧ください。

店舗基本情報

住所
〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉2052-2
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電話番号0267-31-5141
アクセス

軽井沢駅から車で5分、軽井沢町立図書館上隣り

営業時間

10:00~17:00(最終入館16:30)

定休日火曜日・水曜日(GW及び、夏期は無休開館)、11月下旬~4月中旬は冬期休館
駐車場20台
ペット×
禁煙禁煙
カードカード可(入館料は現金支払いのみ)
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1F常設展示室 海を渡った画家たち―コレクターの眼―

軽井沢現代美術館は今年開館16年目を迎えます。
本展では当館の創設者・谷川憲正(東京・海画廊創業者)が30年に亘り収集したコレクションの全体像をご覧いただきます。
私共のコレクションは大きく分けて三つのグループから成り立っています。
戦後間もない時期に文字通り「海」を渡り、かの地に骨を埋める覚悟で制作に励んだ今井俊満、堂本尚郎、菅井汲、草間彌生をはじめとする幾多の画家たち。
祖国を離れ、異なる文化に身を置きながら自らのエネルギー全てを注ぎ込み生み出された作品には鑑賞する者を強烈に惹きつけるものがあります。
また一方で同時期に国内において、従来の官製絵画に相対する前衛的な制作活動をした画家たちも存在します。
「具体」は「人のやらないことをやれ」をスローガンに、白髪一雄、田中敦子らが拘束を受けない自由な創造性を発揮し前代未聞の方法で実験的制作を行い、「もの派」は素材そのものを作品として提示することによって、関根伸夫、菅木志雄、戸谷茂雄らが空間をも含めた新たな表現を生み出しました。
彼らの独創的な制作は「海」を越えて確たる評価を獲得しました。
更に我々と同世代を生き華々しい活躍を見せる奈良美智、村上隆、ロッカクアヤコなどの現在進行形のアーティスト達。
彼らもまた先人達が非常な決意をもって越えた「海」を渡った画家たちといえるでしょう。
今期2階ギャラリーでは現在アートの最前線に立つ井田幸昌、水戸部七絵の近作も展示しております。
思い返せば、30年前収集を始めた当時これら前衛の作家達は美術評論家や一部の好事家の間では高い評価を得ていたものの、美術界を離れての知名度は決して高いものではありませんでした。
画廊を訪れる人からも「何か変わっている絵」「エキセントリック」「よく分からない作品」という言葉をいただくこともあり、振り返ってみるに隔世の感があります。
本展はこれら三者の100点に及ぶ競演となります。
ひとりのコレクターの眼が捉えた1950年代から今日に至るまでのアートの移ろいをお楽しみください。
私共もコレクションの歴史に思いを馳せつつ、この軽井沢現代美術館にてアートを味わうひとときを皆様と共に過ごせることにこのうえない喜びを感じております。

●出展作家
アイオー、青木野枝、荒川修作、井田幸昌、猪熊弦一郎、上前智祐、榎本和子、金沢健一、川俣正、木村忠太、草間彌生、桑山忠明、白髪一雄、菅木志雄、関根伸夫、高崎元尚、田中敦子、戸谷茂雄、中辻悦子、流政之、名坂千吉郎、名坂有子、奈良美智、名和晃平、東恩納裕一、福島秀子、眞板雅文、前川強、前田常作、松谷武判、宮島達男、水戸部七絵、宮脇愛子、村上隆、元永定正、安田侃、山崎つる子、ロッカクアヤコ (五十音順)他

①ロッカクアヤコ_Untitled.jpg

「Untitled」 2015年 キャンバスにアクリル 162×260㎝ ロッカクアヤコ

②元永定正_きいろいひかりとしろいひかり.jpg

「きいろひかりとしろひかり」 1986年 キャンバスにアクリル 90×72㎝ 元永定正

③福島秀子_Untitled.jpg

「Untitled」 1961年 紙に水彩 76.3×56.3㎝ 福島秀子

2F企画展示室 海を渡った画家たち 初期のコレクションより

【概要】 
海を渡った画家たちの初期のコレクションは主としてヨーロッパで活躍した作家で形成されました。
その先駆者といえば藤田嗣治をおいて語ることは不可能でしょう。はたして1920年代のフランス画壇において彼ほど輝かしい評価を獲得した日本人画家が存在したでしょうか。
私共のコレクションは先ずフジタに注目することからスタートしました。そしてフジタの交流を紐解く過程が同時代にフランスで活動する様々な日本人作家はもとより、国内で前衛の活動をした「具体」の作家のもとへとコレクションを導き、当館の作品の収集に繋がっていったのです。
第二次大戦後の1950年代、多くの日本人作家が渡航、アンフォルメルに身を投じた堂本尚郎、今井俊満をはじめ、
「エコール・ド・パリのスーパースター」と呼ばれた菅井汲や、佐藤敬、鬼頭曄 等が綺羅星のごとく活躍したとき、遠くブラジルの地では間部学がコーヒー農園で働く傍ら画業に励み、遂に「ブラジルのピカソ」と呼ばれるまでに評価を高めていました。
長谷川潔もまた、当時フランスで失われたマニエール・ノワールの技法を復活させ、その作品の静謐な中に秘める精神性で高く評価され今日に至っています。
同時期に世界のあちらこちらで多数の日本人作家が才能を花開かせたことは正に奇跡のように思われます。
『これらの作家の足跡を追う』、これをコンセプトに初期のコレクションは形成されていきました。
改めて彼らの画業をご高覧くださいませ。

●出展作家
今井俊満、鬼頭曄、佐藤敬、菅井汲、堂本尚郎、長谷川潔、藤田嗣治、間部学(五十音順)

2024年4月25日(木)~ 11月24日(日)

⑤間部学_世紀の詩.jpg

「世紀の詩」 1991年 キャンバスに油彩 80×100㎝ 間部学

⑥菅井汲_ムッシュ.jpg

「ムッシュ」 1986年頃 キャンバスに油彩 125.3×93.3㎝ 菅井汲

入館料
一般:1,000円(常設展示共通)
65歳以上、大高生:800円 
中小生:500円

開期 2024年4月25日(木)~11月24日(日)