北杜夫夫人ら鼎談 「劇団樹座の名優、北杜夫」を語る

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 軽井沢高原文庫は8月25日、邏 人劇団「樹座」に出演した、作家の北杜夫さんのエピソードを関係者が語り合う、高原の文学サロン「劇団樹座の名優、北杜夫」を開いた。「樹座」は作家の驕 藤周作さんが1968年に立ち上げた劇団で、作家や編集者、公募で集めた一般人など演劇の邏 人ばかりが出演。27年間で21公演を行い、北さんも定期的に出演していた。

 この日は北杜夫夫人の齋藤喜美子さん、樹座の中心メンバー縺 った作家の蜉 藤宗哉さん、同じく元新潮社編集者の宮辺尚さんが、約200人の聴衆を前に、同文庫の中庭で鼎談した。北さんが石像や火星人の役で出演した実際の譏 像を交えながら、当時のことを振り返った。蜉 藤さんは「北さんはストーリーに関係ない・?面で出演することが多かったが、酔っぱらって登・?し劇を無茶苦茶にすることがあった」と話すと、喜美子夫人は「主人は本来引っ込み思案で人前に出るのは苦手な人。驕 藤さんのことが大好きでしたから、テンションが高いときに誘われて、つい乗ってしまったの縺 と思う」と続けた。

 また、躁鬱病を発症した北さんが、譏 画製作の資金集めとして・?の売買にのめり込ん縺 ときのエピソードで、喜美子夫人は「小学生縺 った娘のお年玉貯金までも使いきった」と告白。宮辺さんが、「・?でお金がプラスになったことは」と尋ねると、喜美子さんは「一度もございません」と返した。

 最後は客席で観ていた北さんの娘の由香さんも壇上で挨拶。「父が躁鬱病になってからは、生活が一変した。それでも家族ばらばらにならなかったのは、家に父のユーモア心が溢れ、それを受け止めるしなやかでしぶとい母がいたから」 と邱 めくくった。

 軽井沢高原文庫では10月8日まで、「北杜夫展 美しい夢とユーモア、ふたたび」を開催中。「どくとるマンボウ航海記」の直筆原稿や、親友の辻邦生さんとの書簡のほか、樹座に出演した際の北さんの写真なども展示している。TEL0267-45-1175(軽井沢高原文庫)

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