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軽井沢の文化遺産は守れるか⑥ 広川小夜子

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(前号までの内容/ 民間で文化遺産を守ろうとしている人たちを取り上げています)

ハーモニーハウスを保存するためにYさんはEカフェを開業した。人気店となったEカフェを訪れる観光客で道路は渋滞し、近隣住民からの苦情が町役場へ殺到。2019年11月、軽井沢自然保護審議会で条例違反のカフェとして名前を公表するか否かの審議が行われた。

 11月1日の自然保護審議会(注1)で配られた資料には、近隣住民からの苦情は付いていたが、カフェ側の意見は付いていなかった。審議委員からは「役場と事業者とのやりとりがわからないのでは中立的に判断できない」という声があがり、15日に行う自然保護対策会議(注2)に事業者を呼び意見を聞いたうえで判断することになった。

 対策会議でカフェ側が意見を述べたが、12月上旬、「1月末までに協議書の提出が終了しなければ名前を公表する」と通達があった。Yさんは近隣を回って説明し役場へ提出するが「30軒回らないとダメだ」と言われ突き返されたという。住民の「説明会を開いてほしい」という意見を提出すると「これでは意見を聞いたことにならない」と役場は受け取らない。一部の近隣住民は説明会を求めていたが、これまで説明会を開いたのは3万坪のメガソーラーや3000坪の企業施設など大きな計画の場合で、小さなカフェは1件もなかった。提出しても突き返されるということを繰り返しているうちに期限は過ぎ、町のHPや広報に「条例(注3)違反のカフェ」として名前が公表。

 対策会議の内容を調べるために議事録を取り寄せてみると、黒く塗りつぶされ一切内容がわからないようになっていた。私はこれを見て「なぜ隠さなければいけないことなのか」と不思議に思った。

 公表によってこのことを知った人たちから「協議ということの解釈が間違っているのではないか」という声が聞かれるようになった。法令用語に詳しい高崎経済大学名誉教授の大河原眞美さんは「『協議』には『賛同』の意味はない。事業者は住民の苦情に対応しており(注4)、『協議が終わらなければ公表するべき』という結論には問題がある」と述べた。町議会議員のAさんは「軽井沢にとって大切な文化遺産を民間が守ろうとしているなら、町はそれに協力すべきだ」と話す。一方、「年間870万人もの観光客が訪れるオーバーツーリズムを何とかしなければ、またこうした問題は起きてくるだろう」と町の観光施策の問題点を指摘する声も聞かれた。

注1:町内の各団体から選出された委員で構成されている審議会
注2:軽井沢町役場の職員で行う会議
注3:軽井沢町の自然保護のための土地利用行為の手続等に係る条例
注4:駐車場を移動、コンサートを中止、速度制限20kの看板を出した。(前号に掲載)

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