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標高約1000mの軽井沢は避暑地としてあまりにも有名です。日中でも30℃を越えるような日は滅多にありませんが、標高が高いぶん、陽射しが強いので、涼を求めるならやはり森の中がいちばんですね。
夏の森は軽井沢の人の賑わいに負けないくらい、生き物の活動が活発です。頭の上からはコエゾゼミの「ギーーー」という声が降ってきます。せせらぎに沿って歩けば鳥の水浴びシーンに出会えるかもしれません。ふわふわと優雅に飛んでいく蝶のアサギマダラは、もっと標高の高い地域への旅の途中でしょうか。散策路に沿って咲いたソバナやフシグロセンノウも私たちの目を楽しませてくれます。 こうして一通り散策を楽しみ、森を抜けると、照りつける太陽の下に立ったときに、「なんて森は涼しかったんだろう!」と誰もが実感するでしょう。
森の中がいつもひんやりと涼しいのは、生い茂った木々の葉が陽射しを遮っているからだけではありません。「蒸散」といって、植物が根から吸収した水分を葉から蒸発させるはたらきにもよるのです。じつは、水が気化するときは、まわりの熱を奪います。暑い日に玄関や庭先に水をまくと涼しくなるのは、水が蒸発するときに気化熱を奪うからです。同じように、森では葉の一枚一枚が「蒸散」を行うことで、森の中の温度を下げているのです。
| 写真(上)アサギマダラとヒヨドリバナ、写真(下左)ソバナ、(写真下右)スジグロセンノウ |
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