冬、町の街路樹や庭木に鳥の巣を見つけた経験はありませんか? 木の葉がすっかり落ちた軽井沢の森でも、鳥の巣を見つけることが多くなります。といっても、鳥たちが子育てのために作ったものですから、繁殖期が過ぎた今は使っていない空き巣、そして二度と使われることのない古巣なのです。さて、どんな場所に巣が架けられているでしょう。

 森の中、散策路に沿って歩くだけでも、目が慣れてくれば何ヵ所も巣が目につくでしょう。高い木の上ばかりでなく、森の入り口や散策路からほんの1〜2メートルしか離れていない茂みの中にも見つかり、夏の間は全く気づかなかったのに、意外と近くで子育てしていたことに驚かされます。
 さらに驚かされるのは、巣のつくりです。ふつう鳥の巣といえば枝でできたお椀型の巣をイメージしますが、鳥の種類によっては皿形やドーム型(天井がある)もあるし、キツツキのように木に直接穴をあけるタイプもあります。材料も苔や枯葉、草の根、クモの糸などいろいろです。よく、ぼさぼさ頭を「鳥の巣みたい」とたとえることがありますね。ところが実際の巣を見ると、こんなたとえは鳥に失礼だという気がするほど丁寧にできています。外側と内側とでは材料を変えたり、卵を温める産座には動物の毛などの、よりやわらかい素材を用いたり。手が届くようなところに巣を見つけたら、鳥たちの空き巣を拝見してみましょう。

 

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写真上:2ヶ所のカラスの古巣
写真中:ホオジロの古巣
写真下:春・巣材を集めるホオジロ

 

 


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