見通しの良くなった森で冬のバードウォッチングを楽しみながら歩いていくと、木の幹の一ヵ所にエナガが何羽も張りついて何かついばんでいるのに出くわすことがあります(ちょうど写真のように)。次にはコガラやシジュウカラもやって来て、同じ所をついばんでいきます。彼らがついばんでいたところは濡れていて、樹液がしみ出ているのだと分かります。エナガもシジュウカラも、みんな樹液を飲んでいたのです。
 この時期、樹液が出ている木には、カエデ科の木やオニグルミ、ミズキなどがあります。中でも、カエデの樹液はなめてみるとほんのり甘くて、小鳥たちにも一番人気です。樹液の出が良い木には、一般にカラ類*といわれる小鳥たちが入れ替わり立ち替わりやって来ます。チルル・チルルとおしゃべりをしながら立ち寄っていくエナガの群れは、仲良く合い席で樹液を飲んでいきます。合い席を許さないシジュウカラは、せわしく相手を押しのけたり押しのけられたりしています。彼らより体も態度も大きいヒヨドリには、さすがにみんな、席を譲ります。そして時には、誰もいない頃を見計らってキツツキの仲間のアオゲラが来ることもあります。
 樹液喫茶を見つけたら、しばらく待って、やって来る小鳥たちを観察してみましょう。

(*一般にカラ類といわれるのは、軽井沢ではシジュウカラ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、エナガで、森で一年中見られるおなじみの小鳥たちです。)

※写真をクリックすると拡大写真が現れます

写真上:樹液を飲むエナガ

写真下:つららになったカエデの樹液

 

 


Special Thanks