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雨が降っています。雨音は軽井沢に住む人にとって、長い冬の終わりを告げ、春が来たこと感じさせるものです。こんな日の夜、彼らはじっとなんかしていられません。
彼らとは、森にすむヤマアカガエルのこと。体長5〜8Bくらいの枯葉色をしたカエルです。 ふっと暖かくなった雨の日に目覚めて冬眠場所からはい出してくると、繁殖のために池を目指します。オスは一足先に池でメスを待ちます。メスがやってくると、オスはメスの背中にしがみつき、メスが産んだ卵に精子をかけます。この時、一匹のメスにたくさんのオスが詰めかけるので、カエルにとってはてんやわんやの大騒ぎです。ところが、産卵を終えたカエルは再び冬眠します。まだまだ寒い日があることを知っているのです。
産卵は3月中旬から5月中旬まで。ヤマアカガエルの産卵場所のひとつに、「軽井沢野鳥の森」の中のどんぐり池があります。のぞきに行ってみてはいかがですか?

また、ヤマアカガエルが集まる池の周辺には、カラスやカケス、時にはノスリが来ています。カエルを食べに来ているのです。「これを食べなきゃ春が来た気がしないんだよね。」と言っているかどうかは分かりませんが、毎年繰り返される春の森の営みです。
※写真をクリックすると拡大写真が現れます
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写真上:産卵-ゼリー状のたまごが左側に見える。
写真下:ヤマアカガエルを食べるカケス
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