3月に入ってから、軽井沢も暖かくなり始め、堅くしまった木の芽も徐々にゆるんできました。とはいっても朝晩の冷え込みは厳しく、まだ雪が降ることさえもあります。軽井沢の冬枯れた森に、春はいつやって来るのでしょう?そんな思いを胸に、森を散策していると、すでに春の兆しが現れ始めていました。


 朝、川辺から大きくすんだ声が聞こえてくることがあります。この声の主は、ミソサザイという日本で一番小さな種類の鳥です。盛んに地面の穴や倒木の下に出たり入ったりしながら、時々体には似合わない大きな声を張り上げています。この行動、実は春の結婚の準備をしているのです。
 雄は、一月頃から巣を作る場所を探しています。巣を作る場所が決まると、今度はいっぺんに数個の巣を作り始めます。そして、作った巣の近くで精一杯のさえずりをし、花嫁を捜しているのです。そんな雄と巣を気に入った雌は結婚をし、子ども達を育てる準備を始めるのです。本当に小さな小さな気配ですが、軽井沢に春は訪れ始めています。



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  ミソサザイ


体の大きさが10Bほどで、全身が茶色の地味な鳥。名前の由来も、味噌色をした些細な鳥から、ミソサザイとついたとか。しかし、この体からは思いもつかないほどの大きく複雑なさえずりをします。薄暗く、コケやシダが生えているような沢沿いが、絶好の観察ポイント。

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