木々の芽が、やっとほころび始める4月。冷たく残っていた雪も次々に暖かい日差しで融けました。この時期は、冬の間長い眠りについていた生き物たちが姿を現し始めるのです。そんな生き物に出会うために、森へと出かけてみましょう。


 森にある小さな池から、かわいらしい声が聞こえてきます。足音をたてないように水辺へ近づくと、枯れ葉色をした5センチくらいのカエルが水際に集まり一生懸命鳴いています。「キャラララ、キャラララ」と鳴くたびに、両ほほの小さな袋がふくらんでいます。このカエルたちは、一体何をしているのでしょうか?
 この鳴いているカエル、実はメスを待っているオスのヤマアカガエルなのです。一匹のメスが来るとまわりのオスは、我先にとメスに飛びつきカエル合戦が繰り広げられます。最後までメスにしがみついていたオスだけが、自分の子孫を残すことができるのです。水辺をよく見ますと、もうすでにゼリー状の大きな卵塊があちこちに見られます。一ヶ月もするとたくさんのオタマジャクシが生まれ、それが目当てのトンボの幼虫ヤゴやミズカマキリも登場し、水辺がさらににぎやかになります。



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  ヤマアカガエル


体長が、5〜8センチぐらいのカエル。山に住んでいて、お腹から両足にかけて赤みがかっていることが名前の由来です。春先以外は、水辺だけではなく森の地面のいたるところで見かけます。

  オタマジャクシ
春から秋にかけて、水辺に群れています。いつもヘビや鳥、また人間の子どもが、ねらっています。

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