6月に入ると軽井沢でもだんだん日差しが強くなり、日中は木陰が恋しくなるほどです。涼しさを求めて森へ入ると、木々が葉を茂らせた緑の世界が広がっています。葉が茂っているため見通しが悪く、バードウォッチングには難しい季節ですが、多くの鳥たちの子育ての様子を観察できる季節でもあるのです。
 鳥は、ふだんは巣をもたずに茂みの中などの枝にとまり寝ています。しかし今の時期は、卵を産み、温め、ヒナが巣立つまでの期間、子育てのために巣を作り、これを使うのです。



ポスト(巣)の中のヒナたち


エサをくわえたシジュウカラ

 森の中を注意深く歩いていますと、口に巣の材料や時には芋虫をくわえた小鳥たちに出会うことがあります。そのような鳥が、自分のまわりをつかず離れず動き回っている時は少し離れてみましょう。近くのやぶ、岩や木の穴、また人がかけた巣箱などに入るようならそこに巣があるのです。鳥たちは、人が通る道のすぐそばに巣を作っていることも案外多いようです。もし巣を見つけたら、十分離れた場所から少しだけ観察し、そしてすぐに立ち去りましょう。
 ヒナがかえると、親鳥は芋虫などの食物を運び始め、多い時で一日に200回近くも巣を往復します。巣の中には4〜8羽ほどの食欲旺盛なヒナが親鳥の帰りを待っているのです。そんなヒナたちも約2週間もすると、成長し巣立っていきます。しかしその後も親鳥は、半月ほどヒナとともに行動し、その間にヒナたちは、食物や危険な物をおぼえるようです。
 ヘビやイタチ、カラスやタカなどに卵やヒナを襲われることも多いので、小鳥たちの種類によっては、春から夏にかけての短い期間に2〜3回の子育てをし、少しでも多くのヒナを巣立たせようとしているのです。



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  シジュウカラ


住宅地にも住んでいる身近な鳥で、野鳥の森でも一番数が多い種類です。人がかけた巣箱もよく利用してくれます。どうやら巣を作る場所が少ないらしく、別荘の郵便受けなどにも巣を作ります。

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