
シモツケソウ

シデシャジン
 フシグロセンノウ
 キツリフネ
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森に入り歩いていると、桜デンブのようなピンク色の花をつけているシモツケソウや、青紫色の風車を思わせるシデシャジン、赤く大きな花をつけて目立っているフシグロセンノウなど、可憐な花たちに目を奪われてしまいます。
また沢沿いの明るい所では、黄色い花が道を彩るように沢山咲いています。この花、名前をキツリフネと言います。森のいたるところで見られるので、ついつい前を通りすぎてしまいがちですが、ちょっと足を止めて観察してみましょう。よく花の形を見ると舟をひっくり返したような変わった形をしています。そして花のお尻には細長い管のようなものも付いています。キツリフネの花は、なぜこの様な形になったのでしょう。実はこの花、昆虫のマルハナバチと契約を結び、ハチに蜜を与えるかわりに花粉を運んでもらっているのです。花の前でじっと待っていますと、体の丸いマルハナバチがやってきてもぞもぞと花の中に入っていく姿が観察できるかもしれません。

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キツリフネに訪れた
マルハナバチ
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ハチは、甘い蜜を集めに花へとやってきます。キツリフネの花は、その蜜を花のお尻にある細長い管にためています。その蜜を取ろうと一生懸命花の中に潜り込み、その時背中に花粉が付くという仕組みになっているのです。マルハナバチは、蜜を集め始めると同じ種類の花の蜜ばかりを集める習性があります。そのため花粉は無事に他のキツリフネの花へ運ばれ、受粉されるのです。物言わずに咲いている花たちですが、自分の子孫の残すために様々な工夫をしているのです。
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