野鳥の森では、ピークが過ぎたとはいえまだまだ沢山の花が咲いています。そんな花たちから出る蜜や花粉を集めに、チョウやハチ等の昆虫がやってきています。
 鳥たちは、忙しい子育ての時期がそろそろ過ぎようとしています。この時期エナガは、巣立った幼鳥たちを引き連れて家族で行動していますが、これからその家族同士が集まって一年で一番大きな群を作ります。他の鳥たちも家族で動いていることが多いので、1羽見かけるとその付近に数羽見られ、なかに幼鳥が混じっているというようなこともあります。葉が茂っていますので鳥の姿は見づらいのですが、この時期ならではの楽しみでもあります。

 そんな自然を観察しながら森の中を歩いていると「ガリガリガリ・・・」と何かをかじる様な音が聞こえてきます。ずいぶんと大きな音なので遠くからでもはっきり聞こえます。この音は何でしょう。音のする方を探してみると木の枝でニホンリスが一生懸命何かをかじっています。夏毛のニホンリスは、お腹と背中の境目がきれいなオレンジ色をしていてずいぶんスマートに見えます。よく観察すると、森にはえているオニグルミの種をかじっているようです。この時期、森にはえているオニグルミはまるでブドウの房のように実をつけています。

オニグルミ


 ニホンリスはクルミの実が熟すのを待っていて、熟すと木の枝から房ごと持ち去っていってしまいます。そしてその中の一つを選び、まわりの果肉を落としておいしいクルミの種を取り出し、大きな音を立てて割っているのです。


ニホンリス

 リスの大好きなオニグルミの木は、沢沿いに多く生えています。ニホンリスを観察するために、沢沿いの道を歩き耳を澄ませてみましょう。普段はなかなか出会えないニホンリスですが、クルミをかじる音を頼りにすることで見つけることができるかもしれません。
 その時期その時期の“旬”の生き物観察をするために森へ入ってみませんか。


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