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アワフキムシはセミに近い仲間の昆虫です。成虫は1センチ程度ですが、セミとよく似た姿をしています。セミと同様に針のような口を茎に刺して汁を吸い、栄養を摂取します。幼虫は成虫から羽をとったような姿をしています。幼虫も植物の汁を吸って栄養を摂取し、余分な水分はおしりから排出されます。つまり、おしっこです。それが泡の材料になります。一体どのように泡が作られるのでしょう。
幼虫は下向きになって汁を吸います。すると、まずおしりから出たおしっこは体を伝い、お腹から分泌されるロウと混ざります。ロウは幼虫が出したおしっこに含まれる酵素のはたらきで脂肪酸に変化し、さらにアンモニアと混ざって石鹸水のようなものになるのです。これが、脇腹に沿って並ぶ気門と呼ばれる穴から吐く息によって泡立つわけです。幼虫にとって、この泡は乾燥や天敵から身を守る役割があるのですが、小さな世界の見事なリサイクル生活ですね。ちなみに成虫になると泡は作らなくなって、飛んで逃げるようになります。
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