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軽井沢の文化遺産は守れるか④ 広川小夜子

2007_sp_bunkaisan.jpg 吉村順三が設計したハーモニーハウス。
(前号までの内容/民間で文化遺産を守ろうとする人たちを取り上げています)  別荘の歴史に詳しいMさんは、旧松方家別荘が売り出されていることを知り、保存しなければという想いで一大決心して購入した。修復した建物は「カフェ涼の音」として活用され、人気を集めるようになった。それまで何も言わなかった近隣の住民が、ある日、裁判所へ訴え出た。

 2016年8月に出された訴状には境界線との間にあるモミやカラマツの伐採と慰謝料の請求と書かれていた。その原因は、枝が伸びて境界を越えていること、1年で軽トラック1台分にも及ぶ落葉の処理に迷惑しているということであった。

 モミは落葉樹ではないし、カラマツは小さな細い葉であり、庭にある数本のカラマツの落葉が1年で軽トラックいっぱいになるはずもない。Mさんはその疑問点と、軽井沢にとって美しく豊かな自然と景観が重要であることを訴えた。

 裁判は2018年の春まで続いた。結局、軽井沢にとっての自然景観の重要性は考慮されず、法律のみで判断された「境界を越えた枝は切る」という判決であった。数カ月後にカフェを訪ねてみると、涼風が吹いていたテラスには暑い陽射しが当たっていた。枝をすべて伐採することによって傾き倒れやすくなったために、大木3本は根元から切らざるを得なかったという。



 南ヶ丘にあるハーモニーハウスは昭和時代に宣教師の娘、エロイーズ・カニングハムが日本の子どもたちのために青少年音楽協会を設立し、音楽を学ぶ場として建てたものである。しかし、2000年にエロイーズが亡くなると維持するのが難しくなり、売却の話が持ち上がっていた。吉村順三の建築であり、エロイーズの想いのこもった建物を何とか保存できないかと地元の有志が集まって相談を重ねた。カフェとして使用することによって建物と音楽協会を維持しようというプランが決まり、2015年「エロイーズ・カフェ」が誕生した。軽井沢らしい物語のあるカフェとして注目され、順調にいくと思われたが、2017年、思わぬことが起こった。(次号に続く)
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