「22世紀風土フォーラム」基本会議がスタート

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5月19日、発地市庭のイベントスペースで、第1回軽井沢22世紀風土フォーラム基本会議が開かれた。この日は知識経験者7名、公募による3名、町の職員5名による計15名が「基本会議」の委員として顔を合わせ、自己紹介や意見交換などを行った。この会議は軽井沢町が2014年12月に発表した、軽井沢の未来を考えるグランドデザインを具体的に進めて行くための組織の一つ。「軽井沢22世紀風土フォーラム」とは、いったいどんなものなのか、詳しく見てみよう。
22世紀風土フォーラムのコンセプトは

 グランドデザインの基本的な考え方は「風土自治」という新しいコンセプト。町民も別荘住民も平等に参加し、行政も一員として協力するという新しい考え方だ。これを具体的に進めるために準備委員会を作り、町の若手職員が1年をかけて検討した。



構成は2段階

 フォーラムの中心組織になるのが「基本会議」。この会議は年6回、公開して開く。そこで出たテーマによっては別のプロジェクトチームを適宜設置する。



何を検討するの?

 検討するのはグランドデザインの中にあげられている地域別のエリアデザインの具体的な進行計画について。また、町長からの諮問によって設置されるケースもあり、従来の「まちづくり委員会」は組織体制を見直し、「まちづくり活動支援部会」として基本会議に並列して活動する。



町民、別荘住民はどのように参加する?

 行政主導型の地方自治は住民参加といっても限界がある。ではどのように進めていくのか。フォーラムの事務局を、人々が交流する場でもある発地市庭に置くことで、住民と行政をつなぐ新しい窓口機能にした。ここで基本会議を開いたり、住民に立ち寄ってもらったりと参加型の拠点にしたい意向だ。広報かるいざわ6月号でも「風土フォーラム事務局へお出かけください。グランドデザインやまちづくりについて語り合いませんか」と呼びかけている。気軽に参加してみてはどうだろうか。



第1回目で話したことは?

 5月19日、発地市庭イベントスペースで行われた第1回の会議では、各委員の自己紹介があり、会長に横島庄治さん、副会長に鈴木幹一さんが選出された。意見交換が行われ、風土フォーラムが機能するためには「町民と別荘所有者のコミュニティがミックスし、相互理解することが必要」「明快なビジョンを作りアクションプランをやっていくべきだ」など、これからの進め方についての意見があがった。



新しい地方自治を目指して

 基本会議、プロジェクトチーム、事務局すべてに共通する姿勢は、新しい地方自治の「実験工房」というとらえ方だ。町役場の職員全員が何らかの形で関わり、住民サイドも全員参加型としての理解と努力が必要とされる。
 「究極の地方自治は住民自治」と言われるが、それはなかなか難しい面がある。しかし、「軽井沢の実験はその目標へ近づくための挑戦」という意気込みが感じられる。「行政主導」から「住民参加」、更には「住民主導」と「行政サポート」という高いレベルを目指そうという点は評価したい。


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基本会議の委員はどんな人?

風土フォーラム基本会議の委員は町役場職員5名、知識経験者7名のほか、公募で選ばれた3名がいる。公募で選ばれた3人とは



貫名礼恵 さん

軽井沢へ移住して5年、軽井沢を愛する気持ちは年々強くなるという貫名さん。「『軽井沢グランドデザイン』の中で提唱されている住民主体の地域経営である"風土自治"という考えに非常に共感し、まちづくりに関わっていきたいと思いました。仕事や趣味を通して別荘オーナーや地元の方々と触れ合う機会も多く、これらの繋がりを生かしながら、30代代表として町民・別荘住民・行政との架け橋になりたいと思っています」



志立正嗣 さん

昔は別荘族だったが、今は軽井沢の町民となって新幹線通勤族に。別荘住民として見る目、町民になってみる目、それぞれの視点から別の軽井沢が見えてくるという。「軽井沢グランドデザインの哲学に共感しています。町民、別荘所有者、そして移住者。様々な背景を持つ住民による、よりよい軽井沢を目指す風土自治の実現に尽力します。世界のリゾート地に対してリーダーシップを発揮する軽井沢を創り上げていきたいと思っています」



島崎アイコ さん

島崎さんは子どもを対象とした"遊びと学びの参加体験型コンテンツ"の企画実施をしている。応募したのは「軽井沢の未来を創っていく場に、子ども達が参加できれば」との思いから。「生活の中から生まれる子どもならではの視点や発想で未来の軽井沢を思い描き、行動していく機会を提案したい。軽井沢の未来に対して、子ども達のアイディアが集まる仕組みづくり等も試みたいですね」

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