有事の避難場所、旧信越線碓氷トンネルも見学 弾道ミサイル発射想定し訓練

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壁際に避難し、頭をおさえしゃがんだ姿勢をとる参加者。
 弾道ミサイルが日本に向け発射された想定で、軽井沢駅や駅周辺商業施設の一部を使い、避難訓練が10月25日に行われた。内閣官房、消防庁、長野県、軽井沢町の共催。同様の訓練は全国21カ所目で、県内は初めて。新軽井沢の住民ら約50人が参加した。



 防災行政無線などからミサイル発射情報が流れると、避難場所や方法を事前に知らされていない参加者は、自主判断で動いた。屋外にいた人は駅構内や近くの飲食店などに避難。駅構内では、駅員の指示で、参加者は窓から離れた場所で身を伏せて待機。訓練は10分ほどで終了した。



 消防庁の国民保護運用室長矢口鑑さんは、ミサイルが発射された際の対応について「屋外から屋内に入るだけで効果が高い。屋内でも窓から離れた場所を探し、身を屈めた体勢をとってほしい」とアドバイスした。



 新軽井沢区長の山岸征男さんは、駅自由通路のそば店のカウンター下に身をかがめ、持っていた鞄で頭をカバー。「自分の身は自分で守るという原点を、区民にもしっかり伝えたい」。



 この日は、浅間山の大規模噴火などでも避難場所として活用する旧信越線碓氷峠トンネルも見学した。トンネルは上り11カ所、下り18カ所あり、すべて安中市の所有。避難が必要なときは、許可を得て軽井沢町が使用できる覚書を今年8月に交わしている。軽井沢から最も近い2つのトンネルで、約2600人が避難できるという。



 参加した栁澤学さんは「(線路や大きめの石があり)足場が悪いので、車イスやお年寄りの方には難しい」。他にも「ここに大人数が避難するときは、よっぽどの事態。そうならないことを願うばかり」と話す人もいた。



 一方で、町内の別荘に滞在する男性は、「避難訓練、Jアラートの実施で、子どもたちが北朝鮮に対し憎しみを抱くなど悪影響が出ている。平和を生むのは外交しかない」と、避難訓練に反対する声をあげていた。

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