シカ、イノシシは過去最高の捕獲頭数 野生動物の対策について報告

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毛皮でテン、アメリカミンク、イタチの違いを説明するあーすわーむ担当者ら。
 軽井沢町は2月8日、野生動物対策の取り組みや成果を伝える報告会を開き、町民ら約30人が参加した。町はツキノワグマをNPO法人ピッキオ、アライグマ、ハクビシンをNPO法人生物多様性研究所あーすわーむ、ニホンジカ、イノシシを軽井沢町猟友会に対策を委託。ニホンザルは町環境課の職員、追い払い専門員が対応にあたっている。



 アライグマは01年以降、町内で61頭を捕獲。近年は目撃情報が減り、15~17年度の捕獲は0。「個体の総数が減ると、目撃情報も減って情報が集まりにくい」とあーすわーむの担当者。さらに、千曲川沿いに分布が広がっている特定外来生物アメリカミンクが近年、軽井沢でも目撃されているとし「イタチに似た黒い動物を水辺でみかけたら連絡してほしい」と情報提供を呼びかけた。



 ピッキオによると、2017年度の町内のクマの目撃件数は90件で、碓氷バイパス(20件)、千ヶ滝中・東区(14件)で特に多かった。現在オス6頭、メス15頭に電波発信器をつけて追跡し、6~10月は夜間の追い払いを毎日実施。人家近くにたびたび出没し、追い払いをしても改善がみられなかった2頭は駆除したと報告した。



 ニホンジカは過去最多だった16年度の451頭を上回る、538頭(17年1月末時点)を既に捕獲。イノシシも142頭と昨年を上回るペースの捕獲数だという。「林道の近くで、くくりワナを設置している場合がある。看板を見かけたら近寄らないで」と注意喚起した。



 町内に棲息するニホンザルは現在19頭で、一頭ずつ識別し力のある個体順に番号をつけ管理。千ヶ滝、鶴溜、離山などの別荘地から、小浅間山と留夫山(安中市境)の間に広がる国有林へ行動域を移すため、追い払いを続けている。「誘引物は除去し、畑は電気柵などで囲むなどして、街にサルが来づらい状況をつくって」と呼びかけていた。

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