臨床と研究ができる病院へ 医師確保を目指す

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 軽井沢町と信州大学社会基盤研究所は4月から、「軽井沢健診」と題し、認知症の早期発見を目指すプロジェクトを開始する。軽井沢病院で高齢者400人の健康診断を継続的に行い、令和2年度から7年度にかけて5年間のデータを収集、分析する。慢性的な医師不足に直面している軽井沢病院で、認知症の早期発見という臨床と研究ができると謳うことで、医師が働きたい病院づくり、医師確保を目指す。プロジェクトの説明が行われた全員協議会で、軽井沢病院の篠原事務長は「このプロジェクトに参加すれば、学位も取れるということで先生が集まるのではないかと考えている」と話した。



 健診の対象となるのは、既に認知症と診断された人を除く65歳以上、90歳未満の町民で、令和2年度200人、3年度200人を募集する。受診者は自己負担なしで病院で検査を受けるほか、自宅で血圧や塩分摂取量、睡眠日誌などを記録する。



 軽井沢町は信州大学・東京大学との連携で毎年5000万円を寄付しているが、今回のプロジェクトでは新たに別途予算を計上。令和2年度は1500万円を検査費用や人件費に充てるという。



2年間で1億円 寄付講座費用、使い道と成果は?

 信大・東大との連携による寄付講座設置から間もなく2年となる。この間の町からの寄付金1億円の使途について、軽井沢新聞社では昨年9月から信州大学に情報の公開を求めてきた。予算差引簿の一部が開示され、ドラム式洗濯乾燥機(約18万円)や掃除機(7万円)、テレビ2台、コタツなどの家電製品を始め、文具や事務用品、浴室サンダルや物干しざお等生活用品、専門書や雑誌、毎月の洗車代、光熱費などに充てられていることが明らかとなった。しかし予算の大半を占める人件費(予算額4900万円/年)については開示されず、勤務実態を示す出勤簿などもすべて黒塗りでの回答だった。



 信大の報告によれば、2018年度は月1回のミーティングの他、開所式やワインを楽しむ会、セミナー4回、町民講座1回が行われた。町は講座開設に併せて軽井沢病院への内科医派遣を求めていたが、2020年3月現在新たに3名が着任している。医師の給与は寄付金には含まれていない。

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