広いエリアで、複数の子グマ出没 5〜6月の目撃情報、50件

2007_news_piccio.jpg
クマが目撃された場所には看板を設置。メール配信サービスでも、クマの目撃情報を発信している。
 軽井沢町に寄せられた5〜6月のクマの目撃情報が、50件(昨年は16件)に上ったことがわかった。例年だと、限られたエリアに集中することが多いが、今年は新軽井沢、千ヶ滝、追分、南軽井沢など、各地域で異なるクマが目撃されている傾向がある。



 町の委託でクマ対策に携わるNPO法人ピッキオの田中純平さんによると、目撃されているクマの8〜9割は、1〜2歳の若い個体。毎年5〜7月は、前年冬に生まれた若いクマが親離れする時期のため、「餌があって他のクマがいない新天地を求めて、森を移動してきたクマが、人里に出てしまったところを目撃されている」と説明する。



 同法人では毎冬、電波発信器をつけたメスグマの冬眠穴近くにカメラを設置し、新たに生まれた個体数を調査しているが、「去年は出産が結構あったので、今年は目撃情報が増えると予測していた」という。



 目撃者から町に通報があると、連絡を受けたピッキオのスタッフが、ベアドッグ(クマ対策犬)とともに現地へ赴き、クマの匂いを頼りに追尾。クマを見つけたらベアドッグに吠えさせ、恐怖心を植え付けて森の奥へと追い払う。また、目撃場所付近に罠を設置し、捕獲したクマには発信器を装着。ベアドッグの鳴き声や花火などで威嚇しながら放獣し、人や犬に近づくと怖いとクマに学習させている。



 クマと至近距離で出会わないために、クマ鈴を持つことは有効だ。田中さんは「鈴の音が近づいてくるのがわかれば、クマもパニックにならない。精神的にゆとりができ、むかってくることはほとんどない」と話した。

関連記事