多くの自治体では既に制定、18年かかって 「環境基本条例」の策定へ前進

1912_news_kankyou.jpg
 軽井沢町の議会で、平成12年から平成30年までの18年の間に、3人の議員が6回も一般質問で取り上げてきたが実現されなかった「環境基本条例」「環境基本計画」が、ようやく制定される運びとなった。


 「軽井沢自然保護対策要綱」は土地利用・開発に関する事業者に対するものだが、「環境基本条例」は環境保全のために、行政、住民、事業者、来軽者がそれぞれの責務を明確にして、環境保全の基本となることを定めるもの。佐久市や小諸市など、多くの自治体では既に取り決めている。


 平成12年の軽井沢町議会で、環境基本条例が必要と言う議員の一般質問に当時の町長は「身近なところからでも進める」と前向きだった。しかしその声は次第に遠のいていった。平成14年、15年の議会では「検討する」で終わった。平成17年、しびれを切らした議員から「策定の意思はあるというが、実施計画すらない」と不満の声があがった。町長が代わっても進むことはなかった。



 平成29年、若手議員からも「町が実施したアンケート調査でも自然環境の満足度が低い。環境基本計画、環境基本条例が必要と平成12年からずっと言っている」との声があがったが、環境課長は「軽井沢には自然保護対策要綱がある。環境基本条例を制定する考えはない」と答弁した。しかし平成30年になると一転、環境課長は「個別の計画を体系的に取りまとめ、環境計画の策定を進める」と断言した。今年11月には、環境基本条例策定の資料が自然保護審議会で配られた。



 なぜ、今になって制定の方向になったのか。4月新任の浅賀信雄環境課長は「軽井沢で開催のG20で環境がテーマだったことやSDGsなど時代の流れがある」と答え、今年度、来年度と検討し基本条例を制定、その後1年遅れで基本計画を策定する予定を示した。



 平成12年から議論を続けてきた内堀次雄さん(前・町議会議員)は「長年訴えてきたことがようやく認められた。住民が参画して、実になる条例を作ってほしい」と声を弾ませた。



 1期目からこの問題を取り上げてきた押金洋仁議員は「周辺の市町村より後発になるが、より意欲的な条例の策定を望む。軽井沢は色々な人たちが交流する場でもあるから、幅広く外側の人からの意見も聞いた方がよい」と述べた。

関連記事