作家 北杜夫さんの別荘 保存のため移築を検討中

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(写真:軽井沢ブルー・プラークには、「旧アーガル別荘」の名前で登録されている。)

 軽井沢でも執筆活動を行った作家の故・北杜夫さんが暮らした別荘が、存続の危機にさらされている。この建物は1930年頃に英国人宣教師C・B・Kアーガルが建て、やがて作家の小島政二郎、後に北さんが所有することとなる。北さんは1964年から約10年間の夏をこの別荘に滞在したことから、歴史的に価値のある建物の保存を図る「軽井沢ブルー・プラーク」に認定されている。現在の所有者は北さんから購入し、老朽化による修繕を重ねながら十数年利用してきたが、ついに来春、建て替えることになった。

 このことを知り、軽井沢ナショナルトラストは移築保存に向けて動き出した。同会長の柴崎雅寿さんは「所有する方に依頼し、建物は無償で提供いただけることになりました。北さんが購入した時も既に建物の傷みが進んでおり、2階へは頻繁に上がらず、客室として使用する状態でした。その頃から修繕を繰り返してきましたが、近年は損傷が激しく、維持に多大な修繕費用がかかることがわかり、取り壊しの判断に至ったようです」と語る。修繕で建築当初から様相は変わっているが、外観や一部だけでも当時の雰囲気をなるべく残せたら嬉しいと柴崎さん。ただ、移築の際の多額の改修費に対して自治体の助成金などは見込めないため、新たな所有者の資金力頼みとなる。来春の取り壊しまでに移築を実現できるか、急を要する状況だ。

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