町制100年の記念曲 制作費一千万円、町議会認めず

傍聴席は満席、急きょ場外モニターも

 軽井沢町提出の2022年度一般会計当初予算案について、予算決算常任委員会(議員14人)は3月14日、町制施行100周年の記念曲制作委託費1000万円をのぞく修正案を可決した。

 町は2023年8月の町制施行100周年の記念曲を制作する委託費として1000万円を計上。藤巻進町長は作曲委託の理由について「100年後の町民に良いものを残したい。軽井沢は一流でなければならない」。作曲を依頼する千住明さんからも「すでに内諾を得ている」と説明した。

 それに対し議員からは「100周年記念の式典と冊子作成については知らされていたが、曲に関しては突然出てきた話。議会軽視では」「町民が置き去りにされている」「コロナ禍で厳しい中、住民福祉の向上につながるとは思えない」などと反発。7人の議員が、1000万円をのぞいた一般会計予算の修正案とともに動議を提出した。

 その後の討論で、町提出の原案を支持する議員もいたが、予算委、続く16日の本会議でも賛成多数で修正案が可決された。

 予算委、本会議を傍聴した小宮山洋子さんは、「このように予算が議員の力で修正可決されたのは、恐らく初めて。役場と議員との力関係に変化が出てきた画期的な事だと思う」と話した。

 1000万円の曲制作についてSNSで知った住民が予算委員会を傍聴しようと集まった。傍聴席すべてが埋まり、さらに入りきれなかった町民のために、急遽3階会議室にプロジェクターを用意。多くの町民が町長の言葉に耳を傾けた。
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