【軽井沢新聞9月号】上皇ご夫妻、4年ぶりに静養

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 上皇ご夫妻が8月22日から29日まで、軽井沢で静養された。新型コロナ感染拡大を受け、地方での静養を控えていたため、軽井沢滞在は4年ぶり。22日13時前に新幹線でJR軽井沢駅に到着。駅北口1階に姿を見せると、集まった人は歓声をあげ、手を振るなどして出迎えた。ご夫妻は手を繋ぎながら歩みを進め、出迎えた人たちに手を振って応えられた。

 ご夫妻の訪問を直前に知ったという中軽井沢の別荘住民は「軽井沢で以前、お見送りのときにお見かけして以来。お元気そうで何より。ゆっくりと過ごされてほしい」と興奮気味に述べた。

大日向の開拓地散策、思い出のテニスコート訪問

 ご夫妻は23日、旧満州から引き揚げてきた人らが開拓した大日向地区を訪問。昭和天皇が1947年に同地区を訪れた際に詠んだ歌が刻まれた「御巡幸記念碑」を訪ね、キャベツ畑を散策した。

 26日は、ご夫妻が1957年に初めて出会われた、軽井沢会テニスコートを訪ね、古くからの知人らと交流した。ベンチに座って、会員がプレーする様子を見学。プレーを終えた会員に拍手を送ったり、歓談したりする様子も見られた。

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 案内役を務めた軽井沢会理事の諸戸清郎さんによると、上皇さまは、かつて一緒にテニスをした94歳の男性がプレーする姿を見て「ご高齢で頑張っていらっしゃいますね」などと声をかけた。また、ご夫妻がダブルスの試合で対戦し、出会うきっかけとなった「ABCDトーナメント」が今年、4年ぶりに開催されたことを伝えると、上皇后さまは「懐かしいですね」と話したという。

 諸戸さんは「ここへお見えになるたび、懐かしいと言って頂ける。今年は訪問が実現して、本当によかったと思う」と喜んだ。

 29日、帰京のため軽井沢駅へ向かうご夫妻の乗った車を町役場前で見送った、中軽井沢の女性は「いつまでもお元気で、来年も再来年もいらしてほしいですね」と思いを込めた。

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