ノーベル平和賞受賞者5人、平和願い軽井沢からメッセージ

 ノーベル平和賞受賞者5人が11月8日、軽井沢町に集い、平和な世界の実現に向けそれぞれメッセージを発信した。6日に都内で開いた、世界平和のためのルールづくりを考える「SDGsグローバルガバナンスサミット」の一環。主催した一般社団法人ユナイテッド・ピース・インターナショナル(UPI)の代表理事、西村峯満さんが軽井沢の別荘に受賞者を招待した。

 2011年にノーベル平和賞を受賞したリベリアの平和運動家、レイマ・ボウィさんは「平和は戦争のない状況だけを言うのではない。公正で平等な社会を作ること、世界の全ての人の人権が尊重されることも平和には大切」とスピーチした。

 UPIは2024年後半に世界の影響力のある政治家、企業経営者らを集め、アメリカで世界平和の戦略会議を開く予定。西村さんは「苦難の道ではあるけれど、皆さまと力を合わせて世界平和を実現させたい」と力を込めて話した。

 この日、受賞者5人と西村さんは、人類を結びつける仕組みづくりなどを通じ、世界平和の実現を目指す宣言に調印。別荘の庭に記念のモミジの木を植樹した。

<ノーベル平和賞受賞者によるスピーチの一部>(カッコ内は受賞年)

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リベリアの平和運動家、レイマ・ボウィさん(2011)

平和は戦争の無い状況だけを言うのではない。公正で平等な社会を作ること、そして世界の全ての人の人権が尊重されることも平和には大切だと思う。

私たちは平和に向かって旅を一緒に進めていくが、その旅路の中に、いつも女性を加えること、女性と一緒にこの道を進んでいくことを求め、私からもアドバイスしていきたい。

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イエメンのジャーナリスト、タワックル・カルマンさん(2011)

日本は世界平和を導く立場にある国だと思っている。というのも広島、長崎の大変な原爆投下の経験から立ち上がってきた経験があるから。

人類を脅かす紛争、戦争を日本という国として止めるべく動いていただきたい。この素晴らしい大義に向かって今こそ日本に立ち上がってほしい。

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イランの弁護士で人権活動家、シリン・エバディさん(2003)

世界で戦争がたびたび起きるのは、武器の製造と販売により、富を得ている企業の責任が大きいと思う。武器をおろして、かわりにペンを持てば、いかに世界が改善するか目の当たりにするでしょう。

戦争なき世界という夢を、実現する日がくるように待ち望んでいる。

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インドの人権活動家、カイラッシュ・サティヤルティさん(2014)

平和は選択の問題でも、贅沢品でもない。また議論するだけのものでもない。平和はまるで酸素のように、人々の命のために必要なものだと思っている。

戦争は決して子どもたちが起こしたものではないが、一番被害をうけるのは子どもたち。世界で起きている戦争8日間で使われる武器の支出額を充てさえすれば、世界の子どもすべての教育、保護、健康を確保することができる。

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アメリカの平和活動家、ジョディ・ウィリアムズさん(1997)

イスラム組織ハマスとイスラエルが戦闘を繰り広げる中で、私たちは「どちらのサイドにつくか」聞かれる。私たちはどちらのサイドをとることもない。私が選ぶのは人道の立場に立つということ。それは、ガザの子どもたち、イスラエルの子どもたち、そして世界の子どもたちの立場、そのサイドに私たちは立とうと考えている。

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モミジの木を植樹する、西村峯満さん(左から3人目)とノーベル平和賞受賞者。

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