軽井沢プリンスホテルのコテージ、大規模リニューアルへ 約290億円を投入
軽井沢プリンスホテルを運営する、西武・プリンスホテルズワールドワイドと西武不動産は6月5日、同ホテルのイーストとウエストエリアにあるコテージの大規模リニューアルに着手することを発表した。同日、起工式を行い、西武グループ関係者が安全を祈願した。
新設のヴィラの設計は世界的建築家の坂茂さんが担い、2〜8人で利用できる計13タイプ。イーストエリア(41棟)は2027年5月、ウエストエリア(83棟)は2028年春以降、順次開業予定で、総事業費約290億円を投じる。
(軽井沢プリンスホテルイーストの現在のコテージ)
現在233棟あるコテージは、古いもので築50年が経過するなど、老朽化が進行。「より別荘に近い感覚で過ごしてもらえるよう」(西武不動産担当者)棟同士の間隔を広げ、一棟あたりの床面積を大きくし、建物を124棟に削減する。既存のコテージを増改築するなど、環境にも配慮するという。
(イーストエリアに新設するセンター棟の模型イメージ)
イーストエリアは、愛犬家や海外のラグジュアリー層、スキーヤーなどがターゲット。愛犬とともに食事ができるレストランや屋内ドッグラン、プライベートサウナなどを備えた約2000㎡のセンター棟も設置。新たに温泉を掘削し、全棟に配湯する。ウエストエリアは眺望の良い場所に浅間山を望む、260㎡の大型ヴィラを4棟新築する。
(プロジェクトへの思いを語る坂茂さん)
起工式に出席した坂さんによると、コテージの解体は最小限にとどめ、解体で生じた材料も利活用するなど、サーキュラーエコノミーに取り組むと言い「我々の考え方と西武グループの考え方がうまくマッチし、シェアできたことが素晴らしい。非常に楽しみ」。
(ヴィラの模型を前に、プロジェクトについて語る西武ホールディングスの後藤高志会長)
グループを統括する西武ホールディングスの後藤高志会長によると、軽井沢で開発事業に着手した1917年以来「最大規模のプロジェクト」だという。「軽井沢に来ていただく様々な世代のお客様に、非日常的なゆとりを提供したい」と話した。
(ウエストエリアに建つ、浅間山を望む大型ヴィラの内観イメージ)