御嶽海の活躍で注目 軽井沢町出身力士「大昇」って?

 「長野県出身力士の金星は62年ぶり」。
 長野県木曽郡上松町出身の大相撲力士、御嶽海が初場所で2横綱、2大関に土をつけるなど11勝4敗と健闘した。遡ること62年、1955年初場所で金星を挙げた力士こそ、軽井沢町出身の大昇(本名・石田勇、1925~2009)だ。
 歴代の県内出身力士を紹介した『信州の相撲人』(京須利敏著)によると、大昇の最高位は前頭筆頭。幕内には21場所在位し、通算139勝158敗。金星を挙げた相手は第44代横綱の栃錦。決まり手は小手投げだった。1957年に引退した後は春日山部屋を経営して後進の指導に尽くし、日本相撲協会の役員も務めた。2009年、急性肺炎のため亡くなった。
 大昇が幕内で活躍した1951~57年は、一家に一台のテレビが普及していない時代。当時、小学生だった大橋功さん(73)は学校帰り、旧軽井沢ロータリーにあった電気屋のガラス越しに、地元出身力士が躍動する相撲中継に夢中になった。「白黒の画面をかじりつくように見ていました。すらっとして筋肉質の体型。外掛けが上手だった」。大昇の義妹にあたる、軽井沢町の女性は「大人しくて優しく、頭のよい方」と、その人柄について語った。

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