大槌中のピアノの音色響く 軽井沢中の合唱コンクール

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 東日本大震災で津波の被害に遭った大槌中学校(岩手県大槌町)のグランドピアノの音色が、軽井沢中学校に響いた。ピアノは9月27日、同中学校文化祭の「合唱コンクール」で伴奏に使用された。

 コンクールは全校生徒が参加。1クラス1曲ずつ歌い、学年ごとや全校での発表もあった。曲目は「時の旅人」「明日へ」などの合唱曲のほか、コブクロの「蕾」、森山直太朗の「さくら」といったヒット曲をアレンジして歌ったクラスも。全20曲が奏でられ、一曲終わるごとに会場を温かい拍手が包んだ。

 3年生全体で歌った混声三部合唱「証」の伴奏を務めた3年生、高野志穂さんはコンクール終了後「練習を始めた頃はまとまりがなかったけど、大槌中のピアノで練習を始めてから徐々に団結していった」と振り返る。からまつ祭副実行委員長の3年生、森木果菜さんは3月に家族と大槌町を訪問している。「高台から町を見下ろすと、建物が何もなく、復興にはまだまだ時間がかかると感じた。歌に込めた全校生徒の思いが、来場者の方にも伝わったと思う」と話した。
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 大槌中学は大震災の津波で、校舎1階の天井まで浸水し、火災も発生。ピアノのあった2階の音楽室は被害を逃れた。今年2月、同中学の鈴木利典校長が、軽井沢町の講演で、ピアノについて紹介したのをきっかけに、町が保管を引き受けることが決まった。大槌中の生徒は現在、仮設校舎で学習。旧校舎を解体するのにあわせ9月13日、軽井沢中学へピアノを運び入れた。ピアノは10月2日、保健福祉複合施設「木もれ陽の里」に移して展示することが決まっている。

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