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軽井沢新聞 > スペシャル 最新号 > スペシャル 134号(2014年8月)
軽井沢新聞 スペシャル 軽井沢が見える万華鏡

広川小夜子(軽井沢新聞編集長)

いつの時代も「平和」を考える場所


左端:鳩山一郎、中央:近衞文麿
ここに1 枚の写真がある。戦争が激しさを増す昭和18年8月、伊東治正(伯爵、新聞記者)の軽井沢の別荘(翠雨荘)に政治家たちが集った「軽井沢会談」である。軍部が勢力を持つこの頃、政治家たちは憲兵に悟られないように庭から庭へと歩いて翠雨荘に集まり、和平への道を話し合った。戦火の時代も軽井沢は「平和」を考える場所だったのだ。

 7月のある日、テレビで「『集団的自衛権』を知っていますか?」という調査を行っていた。10代、20代の8割近くが「よくわからない」と答えている。新聞やテレビであれだけ話題となったのに、無関心の若者が多いようだ。実際、私の周りでも政治の話をしている若い人をほとんど見かけない。
 軽井沢のレストランで働く20代後半の女性。「集団的自衛権って、海外に行って戦争するようになるらしいけど、自衛隊のことでしょ」自分たちには関係ないと言う。佐久地方の病院で働く22歳の看護師(男性)。「集団的自衛権?新聞もテレビも見ないのでよくわからない」。ちょうど持っていた新聞の見出しに「戦争のできる国へ」と大きく書いてあり、元自民党幹部の議員が「自衛隊に入る人 が減り、いずれは徴兵制になる」と話している記事が載っていたので、それを見せると表情が変わった。「いやだよ。戦争になんか行きたくない!」。若者たちも自分の身に降りかかることとなれば、真剣に考えるようだ。
 若者ばかりでなく多くの国民の間で議論が深まらないうちに、憲法解釈を変更し集団的自衛権を使えるようにした安部内閣のやり方に対して、地方の新聞は厳しい目を向けている。7月9日付の朝日新聞によれば「地方紙の40紙が反対、賛成はわずか3紙」。東京新聞は「自公だけの『密室』協議で『解釈改憲』の技法だけの話し合い」と批判。信濃毎日新聞は3月から7月30日現在までの間に「安保をただす」と題した社説を40回以上掲載し「政権が思うまま解釈変更するのでは憲法の意味がない」と述べた。
 地方の声は新聞だけにとどまらない。長野県内では46市町村議会と県議会が、解釈変更の反対や、慎重な対応を求める意見書を可決した。共同通信社の全国調査では「解釈変更不十分」と答えた人が82%にのぼり、行使容認への反対は半数を超えている。では、佐久市や小布施町など46議会が意見書を可決している中で、軽井沢町の議会はどうだったのか。『議会だより』を見ても、議会としての意見書を出すという話は全く持ち上がっていない。町民の声をすくいあげる一番身近なところにある町議会がこれでは…とがっかりした。国が行うことにこれだけ多くの人が納得していないという事実をしっかり認識し、町民の代表として政府へ意見を述べる勇気を持ってもらいたいと思う。軽井沢は平和を考える場なのだから。

街角interview

織あい さん(画家)

芸術を育んだオーストリア

織あい さん(画家)
ウィーン市内、歴史的な建物を
活かしたレストラン。

織あい さん(画家)
織あい
フランス政府著作権画家。
ハプスブルグ宮廷芸術会員。
サロン・ド・トンヌ会員。画家として活躍する
傍ら執筆活動もしている。
著書に『パリ・愛をたたえて』、『パリからの贈りもの』。
毎夏を軽井沢で過ごしている。
 「ウィーンのヴェルサイユ宮殿」と称されるシェーンブルン宮殿で作品展を開催した画家の織あいさん。ハプスブルグ家とも交流があり、ウィーン芸術名誉市民でもある織さんに、オーストリアの芸術について伺った。
 「アルプスに抱かれた小さな国ですが、18世紀のハプスブルグ家の繁栄と共に、近代以降の偉大な作曲家や芸術家の多くがオースト リアにいました。恋と建築は同じで、素敵な建物の中にいると、音楽が必要になり、それにふさわしい音楽家が育ちました。ウィーン はベートーベンやシューベルト、リスト、ブラームスなど多くの作曲家が活躍した音楽の都。またモーツァルトの故郷ザルツブルグは 映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台にもなりました。音楽に親しむ気持ちは市民の間にも広がっていて、あるホテルの壁に はワーグナーの直筆の楽譜がはめ込んであったりして、街中で芸術を感じることができますよ。何十年経っても街並みが変わらないの も、歴史や文化を守ろうという市民の気持ちの表れなんですよね」
 「音楽や絵のある素敵なところに身をおいていれば、大切な人と共感したり、心を弾ませたり、心の幸せを感じることができます。軽井沢も音楽や絵画など、芸術を楽しむために皆がやってくる場所になると良いですね」。
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