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映画『カツベン!』の音楽

2019年11月29日 16:22

大正時代を舞台に、活動弁士に憧れる青年・俊太郎の夢と恋をコメディタッチで描いた映画『カツベン!』(12月13日公開)。音楽を担当した、軽井沢在住の作曲家、周防義和さんに、曲作りの秘話や苦労した点についてお聞きしました。

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大正時代に流行った音楽の多くは和洋折衷。明治維新以降に入ってきた西洋の音楽と、日本伝統の音楽がとけあっています。物語の舞台となる活動写真館「青木館」の楽士も、三味線とクラリネットとお囃子(鼓)という組み合わせ。「本当はもっといたけど、ライバル館に引き抜かれて、3人だけになってしまった設定なんです」と周防さん。

劇中劇の音楽も、その3つの楽器のみを使った曲を求められましたが、「和音をつくるのが難しくて、クラリネット奏者がフルート、お囃子の奏者がグロッケン(鉄琴)も弾く設定に変えてもらったんです。その持ち替えは、クラシックではあり得ないですけどね」。楽器の幅が広がったことで、『ノートルダムのせむし男』や『椿姫』など、西洋映画のシーンにも合う曲を作ることができたのだとか。

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監督の周防正行さんは従弟。これまでも監督の作品で音楽を担当し、『Shall we ダンス?』と『舞妓はレディ』では、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞しています。最初のころは、監督含め多くのスタッフを交えた打ち合わせで、音楽の雰囲気や入れるシーンを相談していましたが、この20年ほどは「映像をもらって、先に曲をつけて確認してもらう流れです」。監督と意見がわかれるときもあるそうですが、『カツベン!』に関しては「ほぼ、最初につけたままでいきました」。

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エンディング曲の「カツベン節」は、大正時代の流行歌「パイノパイノパイ」(東京節)に曲を付け足しアレンジしたもの。「ロックで気どらない感じが、絶対に合うと思った」と、奥田民生さんに歌唱を依頼。「レコーディングも本当にいい感じで、スムーズにいって楽しかったです。最初からエンディングまで、納得のいく仕事になりました」。

周防さんの記事は、軽井沢新聞12月号(12月16日発行)でも掲載予定です。

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