議会ウォッチャーの9月メモ
8月28日に全員協議会が行われ、町営駐車場の料金改定について報告があった。
7月から町営6か所の駐車場で料金が見直された。主な狙いは日付をまたぐ長時間駐車、つまり複数日停めたままの車を抑制し、駅駐車場の混雑緩和にあった。駅周辺の3か所、軽井沢駅北口西側駐車場(以下、北口西P)、矢ヶ崎公園駐車場(以下、公園P)、新軽井沢駐車場(以下、新軽P)は駅からの徒歩圏内に位置し、利用の動きが顕著である。北口西Pは無料時間を廃止、公園Pは2時間無料、新軽Pは30分無料と条件が異なり、実績に相互の影響が見て取れる。
観光経済課長は「北口西側駐車場で通勤者が停められない事態はなくなった」と述べ、収入増を効果とみなした。確かに台数の減少に対して収入は大幅に増えているが、公園Pでは無料利用が15%増えている。数字を並べれば「行ってこい」にも見え、単純に収入増=効果とするのは疑問だ。
公園Pは都市公園法に基づき設置された施設で、本来は公園や会館など施設利用者が対象である。利用者側には区別がつかないと考えられ、実態は観光客等が多数を占めている可能性があり、本来の利用者がはじき出されてはいないか。地区関係者に聞き取りを行ったところ、問題は依然未解決であると話した。
新軽Pは大賀ホール向かいに位置し、レイアウト見直しで51台増設し277台となった。徒歩9分の距離だが、北口西Pの混雑を補う存在である。一方、公園Pでも60台増設計画があったが、自然環境を損なうとの住民反対で中断された。収容力の拡大だけでなく環境との調和が課題である。
旧軽井沢駐車場は立体式から平面式への改修により213台と収容台数が半減し、最大規模は277台の新軽Pに移った。比較対象は7月後半の半月間に限られており、増収は確認されたが利用台数は2%減にとどまり、出入口の混雑は深刻だった。秋の繁忙期には交通誘導員を月額120万円で配置する予定である。設計に繁忙期混雑を盛り込めなかったのか、その課題解決を人件費で補う構図は望ましいとは言えない。
(7月にリニューアルオープンした町営旧軽井沢駐車場)
中軽井沢駅前駐車場と信濃追分駅前駐車場はいずれも1時間無料で鉄道利用を促す拠点だが、改定後は利用が減少した。中軽井沢駅や信濃追分駅からしなの鉄道で軽井沢駅を往復すると約500円の鉄道利用料がかかる。駐車場値上げと合わせるとコスト面で利便が感じられず、鉄道利用の動機を損ねかねない。パーク&レールライド推進という政策目的に逆行しているのではないか。
今回の評価は改定後わずか1カ月のデータに基づく。季節変動の影響もあり、現時点で結論を出すのは早計だが、傾向をうかがうことはできる。(文・赤井信夫)




