軽井沢ニューアートミュージアム、来春の完成目指し苔と白樺の庭にチャペル建設

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 軽井沢ニューアートミュージアムは7月9日、白樺の林の中にチャペルを作る「白樺の森建築プロジェクト」の始動を発表した。フランスの現代美術作家、ジャン=ミシェル オトニエルさんと、建築家の隈研吾さんの共同プロジェクトで同日、2人が記者会見で質問に答えた。

 チャペルの名前は「風通る白樺と苔の教会」。同美術館裏手の駐車場だった場所に建築する。オトニエルさん作のオブジェ「こころの門」は、既に設置済み。苔の上に白と赤の球がつながってできた、高さ約3.5mの2つのハートが寄り添うように立つ。ハートの中をくぐってチャペルへ向かうイメージだ。オトニエルさんは「心を、もう一つ別の心に繋ぐことを意識した。いろんな人に開かれた教会にしたい」と、年齢や国籍、宗教を超え、同性愛の結婚式にも使ってほしい考えを示した。

 隈さんは空間全体の設計を担当。チャペルは9月に着工し、2015年4月に完成予定。壁と天井はガラス張りで、建物内外に苔を敷き詰め、無数の白樺がチャペルを支えているように見せる。「中と外がどこまで溶け合えるのか。何かと何かをわける、建築の宿命を超える作品にしたいと思った」と隈さん。
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 同美術館は昨年9月よりアート作品に囲まれた中で挙式する「ミュージアムウエディング」に取り組んでいる。「風通る白樺と苔の教会」を、ウエディング誘致の呼び水にしたい考えだ。2015年6月29日まで、オトニエルさんの企画展「愛の遺伝子~DNA of Love~」も開催している。

右上写真:左からオトニエルさん、隈さん、プロジェクトを監修した美術評論家の伊東順二さん。左下写真:教会の外観イメージ「“こころの門”2014,copyright Jean-Michel Othoniel/ADAGP,Paris & JASPAR Tokyo,2014(simulation image by Kengo Kuma & Associates)」

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