ほ場整備事業の計画地にアサマフウロなどの希少植物 保全求める請願は「主旨採択」に

 軽井沢町議会は12月17日の本会議で、町民から提出された「馬取山田地区ほ場整備事業に関する請願」を、賛成多数で主旨採択(願意は妥当だが実現性は難しい)とした。請願では、町などが進めるほ場整備事業の計画地(17.8㌶)の一部に、アサマフウロなどの希少植物群が生育しているとし、計画地の約3%にあたる約5,500㎡を「自然生態園」のような形で保全することなどを求めた。

 討論で「主旨採択」に賛成する議員は、「地権者は従来通りの(農地とする)計画を望んでいて、今年の一般会計補正予算でも、ほ場整備経費を全会一致で可決している。事業を断念して、自然生態園をつくるのは難しい。希少植物は他地域への移植を町側で検討していくべき」。

 一方「採択」に賛成する議員は「税金を投入して行われる公共事業として、環境に配慮することは必須。(中略)地権者、営農者の利益を損ねず、計画に修正を加えることは可能」とした。「不採択」の立場で意見を述べる議員はいなかった。採決では議長を除く14人の議員のうち9人が「主旨採択」に賛成した。

 12月会議では他に、2つの請願と1つの陳情についても審議。「軽井沢町内の保育園・小学校・中学校における有機給食の実現に向けた請願」は賛成多数で一部採択、「軽井沢中学校生の『通学用バス利便性向上』および『通学のための公共交通機関確保』を求める請願」は賛成多数で主旨採択、上水道布設に関する緊急陳情は全会一致で不採択とした。
211221_01.JPG
馬取山田地区ほ場整備事業の計画地

塩田家具

関連記事