仏人浮世絵師ポール・ジャクレーの木版画20点展示 毎年秋の恒例企画に

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 軽井沢で創作活動を続けたフランス人浮世絵師、ポール・ジャクレーの特別展が9月1日から、軽井沢歴史民俗資料館で始まっている。昨年、追分宿郷土館でジャクレーの全木版画162点を展示する企画展を初めて実施。好評だったことから、同資料館の毎秋の特別展として、作品を変え継続的に開催していくという。

 今季は遺族所有の木版画の中から「南洋」「韓国」「日本」「中国」のモチーフ各5点、計20点を展示。「満州宮廷の王女たち」の連作はいずれも1942年の作品で、200回以上摺りを重ね、王女たちの色彩豊かな衣装を緻密に表現した。

 ジャクレーは父の仕事の都合で1899年、3歳で来日。10代で油彩、日本画を学び、在日フランス大使館勤務を経て、本格的に画業の道へ。南洋の島々、朝鮮半島などを巡り、浮世絵の手法で現地の人々の暮らしを描いた。1944年、疎開した軽井沢にアトリエを構え、戦後も創作活動を続けた。

 ジャクレーが亡くなる1960年まで、ともに軽井沢で暮らした養女の稲垣・ジャクレー・テレズさんは1日、同館を訪問。「日本の浮世絵とはまた違う、ジャクレーならではの色彩を楽しんでもらいたい」と話した。特別展は10月31日まで。入館料は一般400円、小中高生200円。TEL0267-42-6334(軽井沢歴史民俗資料館)

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