高齢者世帯は冬に備えて様々なサポートの利用を

2212_sintyaku_koureisya.jpg
 別荘地という土地柄、住民票を軽井沢に移さずに暮らしている人は多い。住環境の改善で冬の別荘滞在者も増えているが、中には高齢者の独居あるいは夫婦だけで暮らすケースもある。住民票のない高齢者だけの世帯を把握することは難しく、自治体や民生委員などの介入が困難な場合も。そうした状況に「事故があっても気付きにくい」と指摘するのは、軽井沢で訪問介護と別荘管理を行っている岡村一巳さんだ。

 岡村さんは7年前、当時勤務していた施設の入所者が軽井沢の別荘で孤独死していたことがあり、それを機に介護とヘルパー、別荘管理を一緒に行う必要性を感じるようになったという。現在、岡村さんが対応している軽井沢の世帯の内、2割弱は高齢者の独居または夫婦だ。

「特に高齢者のゴミ出しは、自治体に相談しても個別の対応が難しい。杖をつきながらゴミ袋を持って、ある程度の距離を歩くというのは転倒の危険がある」と話す。

 軽井沢町社会福祉協議会が行っている「安心ほっと生活サポート」は、地域通貨ルイザを使い、ゴミ出しや買い物代行、掃除などちょっとした困りごとを住民同士でサポートをする仕組みで、別荘所有者の利用も可能だ。また軽井沢町保健福祉課によれば、住民票のある自治体が認めれば、軽井沢でも介護保険を使った介護が受けられる。

 「火の消し忘れや庭で倒れて発見されたケースもあった。免許返納で困る高齢者も増えてくる」と岡村さん。灯油や薪を運んだり、ストーブを使うなど事故の危険が増す冬場、様々なサポートを検討することも必要だろう。

塩田家具

関連記事