東日本大震災のTSUNAMIヴァイオリンでチャリティーコンサート 能登半島地震の支援へ

 元旦に発生した令和6年能登半島地震で様々な支援が行われている中、3月10日に軽井沢大賀ホールでもチャリティーコンサートが開催される。当日は、東日本大震災で倒壊した家屋の流木から作られたヴァイオリンも登場する。

 上田市に工房を持つ中澤宗幸さんがこのヴァイオリンを作ったのは、「瓦礫の山」という津波の報道がきっかけだった。「あれは瓦礫ではなく家族を支えてきた歴史の山。その山の中でヴァイオリンを作れる木はないの?」というヴァイオリニストの妻きみ子さんの言葉を受け、宗幸さんは東北に足を運び材料となる木を探して、現在までにヴァイオリン5本、チェロ2本、ヴィオラ2本、分数ヴァイオリン1本を製作。その楽器を通じて、震災を風化させないため「千の音色でつなぐ絆・TSUNAMIヴァイオリン ・プロジェクト~弦の響きでつなぐ千人のヴァイオリニストのリレー」を開始した。錚々たる著名人を含む800人以上がTSUNAMIヴァイオリンで演奏をつないでいる。「千人はゴールではなくスタート。地球の存在する限り世代を超えて続けるプロジェクトです」と中澤さん夫妻は話す。

 今回の能登半島地震を受け、当初予定していた東日本大震災支援のコンサートを能登半島支援に変更。「このプロジェクトに関わる人全員が賛成しました。音楽は災害直後の物質的な支援ではないですが、心の傷や痛みを一緒に分かち合う大事なものだと思います。天災とは無縁でいられない日本で、今後も支援や協力を継続していく一つの架け橋になればと思います」。

能登半島地震緊急支援チャリティーコンサート 祈り in 軽井沢

日時:3月10日(日)開場13時半 開演14時
場所:軽井沢大賀ホール
出演:崔宗宝さん、中澤きみ子さんなど
料金:全席指定3,000〜5,000円
TEL0267-31-5555(軽井沢大賀ホールチケットサービス)

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ヴァイオリン製作家の中澤宗幸さんと、ヴァイオリニストの妻きみ子さん。

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