【インタビュー】華道家・假屋崎省吾さん 初めて秋の軽井沢で個展を開催

 華やかな作風で、国内外で活躍する華道家の假屋崎省吾さんが、10月22日から軽井沢タリアセン内の睡鳩荘で15回目となる個展を行う。睡鳩荘はフランス文学者・朝吹登水子さんの別荘で、ヴォーリズが設計した。歴史ある建物を生花で彩る「假屋崎省吾の世界in軽井沢」は、これまでバラの季節の初夏に開催されてきたが、今年初めて紅葉のシーズンに開かれる。

2510_sintyaku_tariasen.jpg

(写真=会期中は假屋崎さんも度々、会場を訪れる。イベントの開催も予定されている。)

「旧軽井沢に別荘を持つようになり、四季を通じて訪れるようになりましたが、特に軽井沢の紅葉は色が非常に美しいですね」と假屋崎さん。秋の個展はハロウィンにちなんでカボチャや流木を使い、ダイナミックな作品作りを予定しているが、「材料はその時にある花を使うので、当日になってみないとわからない」と話す。一般的な花展では予め花材を決めて設計することが多いが、假屋崎さんの場合は「材料と器があって、空間を見たらインスパイアされて、勝手に手が動く。音楽の即興演奏のような感覚」だという。「その季節の旬のお花を生けるから一期一会。だから毎年全く違う作品になるので、来年か再来年に見ればいいと思っている方は、今回をご覧にならなかったら勿体ないですよ(笑)」。

 「軽井沢に来ることは、命のお洗濯」と語る假屋崎さん。「今の時代は古いものをどんどん壊していくから、歴史を紡いでいくことがなかなか難しい。睡鳩荘で個展をご覧になりながら、朝吹さんの在りし日の別荘暮らしを想像して、秋のお花、建物、そして軽井沢の雰囲気を満喫して頂きたいです」

ビジョンステーション

関連記事