昨年同時期の倍以上、軽井沢のクマ目撃170件 有害鳥獣対策協議会で情報共有
軽井沢町は12月25日、「有害鳥獣被害予防対策協議会」を開き、今年度のクマやニホンザル、シカなど野生鳥獣による被害状況や対策の現状について、関係機関が報告し、情報を共有した。
被害報告によると、4~11月のクマの目撃情報は170件に上り、昨年同時期(83件)の倍以上となった。過去20年の集計データと比べても高水準で、目撃場所は千ヶ滝西区、中区、愛宕山、離山、南ヶ丘、レイクニュータウン、借宿、三ツ石など、町内全域に及んだ。
(写真=7月下旬、クマの目撃情報があった付近に立てられた看板。)
クマによる被害情報は10件報告され、そのうち国有林内での人身事故が2件あった。5月3日には、三ツ石の国有林で山菜採りをしていた男性が、親子グマの冬眠穴付近で軽傷を負った。6月3日夕方には、追分の国有林で犬の散歩中にクマと鉢合わせした夫妻が負傷した。捕獲は25件で、南ヶ丘や南原の別荘地にとどまり、養蜂箱を繰り返し荒らした1頭については「危険」と判断し、8月に駆除したという。
軽井沢町はクマ対策をNPO法人ピッキオに委託している。捕獲したクマに発信機を装着し、行動を把握した上で、人に対する危険度を5段階で評価。出没エリアなどと照らし合わせ、関係機関と協議し個体ごとの対応を決めている。発信機をつけた個体は、現在48頭いるという。
この日、報告したピッキオの玉谷宏夫さんは「街なかに出没したクマすべてを駆除対象にするのではなく、問題の程度を正確に把握し、適切に対応するのが軽井沢町ならではのやり方。この取り組みには誇りを持ってよいと思う」と話した。
