議会ウォッチャーの2月メモ

 1月9日、町議会では一日限りの本会議が開かれ、補正予算が可決された。それを受け、『議会だより』と『広報かるいざわ』が相次いで発行された。町政の日常の一コマである。

 当町は、全国的に見れば恵まれた町である。別荘所有者を含む高額所得者が多く、新たな転入者の中にも、比較的経済的に余裕のある世帯が少なくない。一方で、そうした暮らしを支える労働者や、高齢者をはじめ、日常生活の中で移動や支援を必要とする人々も存在する。全体として豊かな町であるがゆえに、暮らしの中での「不便さ」や「困りごと」が、制度の議論として表に出にくくなってはいないか。

 公共交通の問題は、その象徴である。広報でも連載が組まれているが、通学や通院、通勤といった日常生活に直結する分野である。制度は一度形を整えれば終わりではなく、実際の利用状況に応じて見直し、改善を重ねていくことで、はじめて機能する。

 その過程が長引けば、そのあいだに、本来であれば支えられたはずの人が、制度の外に置かれてしまう。問題は、何かが「できない」ことではない。制度を動かすまでの時間と、日々の生活の時間とが噛み合っていないことである。

 もはや公共交通は、技術的に特別な時間を要する分野ではない。にもかかわらず、制度として動かすまでに時間がかかれば、その影響は生活の中に直接表れる。制度の完成度を高めることと、まず動かすことは、本来、対立するものではない。

 町政を見渡すと、官民連携や民間委託、指定管理者制度など、民間の力を制度として活用する場面も増えている。制度として民間を活用すること自体が問題なのではない。専門性や柔軟性を生かすことで、公共サービスの質が高まる可能性も否定できない。しかし、その過程で、公共性よりも収益性や効率性が前面に出るようであれば、本来の目的を見失うことになる。(文・赤井信夫)

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