【お店の履歴書】受け継ぎ、挑み続ける 農のかたち 柳澤農園

 軽井沢・発地で代々農業を営む柳澤農園。2008年、柳澤俊彦さんから息子の領吾さんが家業を受け継いだ。

 アメーラトマトに着目したのは俊彦さん。レタスやキャベツなどを育てていたが、次世代につながる作物を作りたいと考えたという。

 2016年に体験型農園で栽培を始めたマイクロリーフやスプラウトは、領吾さんが手掛けた。農業は深夜2時に起きてから、外で仕事をし続けるというこれまでの形に疑問を抱き、「新しい働き方はできないか」と試行錯誤を重ねた。「露地栽培でイタリア野菜なども試しましたが、種まきから約1週間で収穫できるマイクロリーフにたどり着きました。大変なことももちろんありますが、比較的作業がしやすいのも魅力です」と話す。

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写真=発地市庭のすぐ近くに位置する農園。

 この頃から町内外にあるレストランのシェフが農園に訪れるようになり、マイクロリーフやスプラウトを使いたいという依頼を受け始めた。さらに「農園の特色を出したい」と食べられる花(エディブルフラワー)の栽培を開始。「農園に来るシェフから注文が入ることも増えました」。摘み取り体験型農園やシェフの来園という人との触れ合いの中で、様々なアイデアが浮かぶという。「自分で作ったものを自分で消費し循環させたい」という思いから、2022年にはレストラン「jord(ヨード)」を開店した。「消費者の方の顔が見たいという思いが、体験型農園やレストランという形になりました。『美味しい』などの声を直接聞くと、やはり意欲も湧いてきます」と話す。

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写真=追分の複合施設「still」内にあるレストラン。「現在はランチ営業だが、ゆくゆくはディナーもやりたい」と領吾さん。

 まだまだ内に秘めた思いがあるという領吾さん。「農家同士のつながりも増えました。今後はもっと大きな枠組みで何かを作れたら」とさらなる意欲をのぞかせた。

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