【お店の履歴書】観光客や別荘客、地元の人も 幅広い客層が集う洋食店

うさぎの森

 現在は新軽井沢交差点のすぐ近くで営業しているうさぎの森。元々は旧道で1987年の「うさぎ年」にスタートしたという。当時、体を壊していたオーナーの関和人さんが「空気の良い所で仕事をしよう」と関東からアルバイトで軽井沢に来たところ、環境が合い「ここで働こう」と思ったことがきっかけだった。「旧道の『ララ』という大きなお店で働いていたら、近くに空き店舗ができて。『そこでやらないか』と言う話をもらいました。そこで3年ほどやって中軽井沢に移転したんです」と関さんは当時を振り返る。

 創業当初は数をこなすことに一生懸命だったが「とにかく何でも手作りの物でお腹いっぱいになって帰ってもらいたい」と考え、手作りフォンドボーや、高原野菜をたっぷり使ったメニューが生まれた。中軽井沢で12年程営業した後、アウトレットの開店や年齢の事などから閉店し、一度は別の仕事に就いた。「その時隣に飲み屋があって、オーナーの伊藤さんが昼間貸してくれたからそこでランチをやり始めたんです。やっぱり飲食の仕事は面白くてね。伊藤さんから『一緒にレストランやりませんか』という声掛けもあり、今の場所で再開しました。この場所では今年6年目です」。現在は主に伊藤さんと二人で店に立ち、日々常連客の胃袋を支えている。

 長く営業していると様々な来店客があるが、中でも特に驚いた出来事があったという。「メニューがあまり多くなかった頃ですが、肉料理は7種類ほどありました。ある日、若くて綺麗な女性が一人で来て『肉料理の一番上のメニューを。ご飯はいりません』と注文されました。それを食べ終えたら『上から二番目のメニューを』って。結局肉料理7種類全部と〆にドリアを食べて帰られたんです。食べ方も上品で全部きれいに食べてくれて。あれは忘れられない。この記事を読んでまた来てくれるといいな、と思いますね」と関さんは笑う。

住所:軽井沢町軽井沢1323-967 TEL0267-42-2888

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白を基調とした外観は、うさぎのイメージにぴったり。「旧道の店は店内も真っ白だったんですよ」

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