【軽井沢人物語】ピアニスト・作曲家・音楽プロデューサー 梁 邦彦 さん

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オリンピックに響いた 軽井沢で生まれたメロディー

 浜田省吾さんを始め、国内外のミュージシャンのプロデュース、ツアーに携わったのち、1996年にソロデビュー。オリジナルアルバム8枚を発表するかたわら、映画やドラマ、オンラインゲームなどの音楽制作を手がけてきた。90年代後半、数々の仕事が重なり「自分のことが何だかわからなくなった」時期に、姉の軽井沢の別荘に機材を持ち込み数週間滞在。思いのほか仕事が捗り「こんな環境で生活できたら」と考えるように。2000年に移住し、スタジオを備えた山の中の住まいで、作曲とピアノを弾く生活をしている。

「頭が爆発しそうになると、外へ出て新鮮な空気を吸うんです。草むしりしているときにぱっと、いいアイデアが思いついたりするんですよね」

 パリ・ユネスコ創設70周年記念セレモニー(15年)の作曲・演奏、ピョンチャン冬季五輪(18年)音楽監督を務めるなど、世界が注目する大舞台も経験。ソチ冬季五輪閉会式(14年)次期開催地セレモニーの演奏で軽井沢を発つ直前、観測史上最高の99cmの雪が積もった。スーツケースを乗せたソリを引っぱり、匍匐前進するように雪をかき分け山を下った。

 「ある程度下りたところで、管理会社の人たちと合流でき、駅までクルマで送ってくれました。『ドラマみたいだね』って言い合ったんです」

 1960年東京生まれ。6歳からクラシックピアノを習い、10代はバンド活動に没頭。日本医科大学を卒業後、麻酔科医として勤務するも「音楽が頭から離れなかった」と一年で退職。当時勤めた大学病院の先輩と、思わぬ所で遭遇した。

 「町内の整形クリニック受診中に、カルテを見ていた院長が振り向いて『やっと会えたな、覚えてるよな』って、もうびっくり。そういう不思議な引力が軽井沢はありますよね」

 昨年デビュー25周年を迎え、「プレッシャーのかかる仕事も多いけど、乗り越えられたのは、地域の人や周囲のいろんな人の繋がりがあったから」と振り返る。軽井沢では初めてのコンサートを6月5日、大賀ホールで開く。ヴァイオリン&二胡、パーカッションを加えたアコースティックの3人編成。軽井沢で生まれた数々の曲を奏でる。親交のあるギタリスト、押尾コータローさんもゲスト出演する。

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