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ガラス作家 河上 恭一郎 さん

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感動をデザインに転換し、
精力的に創作を続ける


 「ガラスを通じて人の心を癒やしたい気持ちは、ずっとありますね」

 食器や茶器を中心に、オブジェやアクセサリーなどのガラスデザインを手がけて57年。87歳を迎えた今もなお貪欲に、新作を発表し続けている。

 代々ガラスに関わる家系で、曾祖父は明治期に官営の品川硝子製造所で学んだ。祖父の工場で作ったガラスの器などに幼い頃から触れ「美しさに惹かれていきました」。

 東京芸大卒業後、松下電器産業(パナソニック)を経て、30歳で保谷硝子(現HOYA)に入社した。クリスタルガラス食器のデザインを主に担当。世界トップクラスの製作環境は魅力的だったが、個で勝負したい気持ちが高まり、54歳で独立した。

 使いやすさを追求したシンプルなデザインで、表面にわずかな凹凸を表現した淡雪小鉢は、光を通したときの影が美しい。小布施堂本店では、コース料理のデザートの器として32年間、使われ続けていて「今でも発注があるのは、嬉しいよね」。

 デザインの発想のため、常にアンテナを張り、感動したことは心の引き出しにしまうようにしている。

「大小関わらず、心が動いたことを貯めておくと、デザインにぱっと結びつくことがあるんです」

 ひとつの作品に思いをより投影できるよう、ガラスを成形するための型も、昨年から自作している。

「料理人とキャッチボールをしながら一から作り上げたものを、お客さんに使ってもらえると嬉しいですね」

 35年前、御代田町に別荘を建て、2年前に移住。軽井沢書店で「一坪のガラス展・本を添えて」を、9月22日まで開催している。これまでは銀座・和光のホールなど、広いスペースでの個展が中心で、一坪に満たない場所での展示は初めて。展示棚の1/3サイズのミニチュアを自作し、展示構成を考えた。

「作るだけでなく、どう見せたらわかってもらえるか、そこまでセットで考えないといけない」

 9月から御代田町のふるさと納税の返礼品に、河上さんの19作品が加わる。「やりたいことを続けられていること」が、元気の秘訣。昨年亡くなった妻の支えは大きく、「親友に『今の河上があるのは、奥さんのお陰』と言われたけど、本当にそう思う」と目を細めた。
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