【軽井沢人物語】軽井沢ウエディング(株)代表取締役 小相沢なおみ さん

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「式場は思い出の場所であり、帰ってくる場所」

 ウエディングプランナーとして、軽井沢で活動を続け39年。大学卒業後、ブライダル事業を立ち上げたばかりのホテル音羽ノ森に入社。惹かれたのはホテルのブライダルサロンが原宿にあったからで、最初はブライダルへの興味は薄かった。

 「プランナーという職種もまだない時代。『とにかく喜んでいただける式を』と、私の裁量に任せてもらえたので、経験を積むほど好きになっていきました」

 1997年、ホテルの経営母体が変わるタイミングで退職。上司が立ち上げた「軽井沢ブライダル情報センター」に入り、結婚式場「軽井沢倶楽部有明邸」の運営も2007年から手がける。代表には12年から就いた。長年の経験を生かし、挙式を控えた2人には多くの事例を示すが、押し付けにならないよう心がける。

 「何より本人たちに『挙げてよかった』と満足してもらいたい。苦労は多いし責任も重いけど、人生の大切な一日に関われる幸せな仕事です」

 2009年発足の軽井沢ウエディング協会は「式場のつながりができ、風通しが良くなって、全体のレベルが上がるきっかけになりました」。手がけた式を各式場のプランナーがプレゼンする、協会主催の「軽井沢ウエディングアワード」に昨年エントリーし、グランプリを受賞した。

「老化防止にね(笑)。恥ずかしいけど、若い子に混じってチャレンジしました。刺激がないと守りに入っちゃうから」

 有明邸で挙式した人を「ファミリー」と呼び、オフシーズンを中心に気軽に再訪してもらう企画を行う。この2月に初めて開いた、ファミリーばかりが出店する「おかえりマルシェ」は 「お客さま同士の良いネットワークができたと思います」。

 1962年、長野県丸子町(現上田市)出身。身近な人たちが軽井沢の検定本づくりに関わっていたこともあり「いつかはと思っていた」軽井沢検定1級にことし合格。

「知ることでより軽井沢への想いが深くなる。プランナーとお客さまの関係と一緒です」

 挙式した人にとって式場は「思い出の場所であり帰ってくる場所なので、潰しちゃいけない」という信念がある。次の10年で同じ思いを持つ継承者を探すのがミッションだ。

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