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ノンフィクションノベル作家 橘 かがり さん

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実在の事件をモチーフに、 物語として構築

 30代後半に大病を患い長期入院。友人が見舞いに持ってきた文芸誌を読み耽り、退院したら小説作法を学ぼうと決意した。書き始めて数年、40代前半で「小説現代」新人賞に。受賞作『月のない晩に』は、船で祖国を逃げ出したベトナム難民の姿を生々しく描いている。

「学生時代、『難民を助ける会』のボランティアで、私が日本語を教えていたベトナム人女性と仲良くなって、彼女から聞いた話をもとに書いた物語です。彼女に恩返ししてもらったように感じました」。

 今年、増補版が出版された『判事の家』は、戦後最大の冤罪事件とも言われる「松川事件」がモチーフ。最後まで被告人の有罪・死刑を主張した判事、下飯坂潤夫さんは橘さんの祖父。取材のため、祖父が死刑判決を下した人物にも会いにいった。

「最初は驚かれましたが、快く迎えてくれて、その後も何度かお会いし、娘のように可愛がって頂きました」

 今年発表した『扼殺 善福寺川スチュワーデス殺人事件の闇』は、1959年の迷宮入り事件について書いたもの。

 「未解決事件なら、推理を働かせて小説として作っていける。書くことで事件を風化させないようにするのも使命かなと思っています」

 軽井沢は4歳から毎年のように訪問。子どもの頃は万平ホテルに滞在し、周辺をよく散歩した。ある日、母の手を離れ、一人で歩いていると、霧の中で迷子に。

「地面の下から霧が湧いてくるように見えて、生き物みたいで恐いなと思ったのが、最初の軽井沢の記憶として残っています」

 5年前から、新軽井沢のマンションで春〜秋の週末を中心に滞在。執筆の場として考えていたが、あまりの静けさに「仕事というより寛ぐモードになり、楽しみのための読書に没頭しています」。

 戦前の日本を舞台にしたもの、日中戦争、戦後の多くの未解決事件...書きたい題材は山ほどある。ロッキード事件もその一つだ。1972年夏、田中角栄首相との会談で、万平ホテルを訪れたキッシンジャー米国大統領補佐官を、間近で見たことを覚えている。

「ロッキード事件を書くには、良い経験をしたと思っています」  次の作品に選ぶ題材は何になるのか。新作を楽しみに待ちたい。
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