【軽井沢人物語】俳優 長塚京三 さん

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必要とされる場所で演じる ふらり歩いて大賀ホールの舞台へ

 「変わったことをしたい」という"出来心"から、早稲田大学演劇科に入るが、学園紛争で学校がロックダウン。中退し、パリ・ソルボンヌ大学に入学、演劇史などを学ぶ。在学中の1974年にフランス映画『パリの中国人』でデビューした。

 「こういう話があるから、行ってごらんと知人に言われ、それでオーディションを受けて、『君で行こう』と決まりました。その時は役者になろうとは思っていなかったですね」

 帰国直後にTBSドラマ『樹氷』に抜擢され出演。当時の大スター田宮二郎さんや浅丘ルリ子さんと共演したことは、最も印象的な仕事の一つだという。以後、数々のテレビドラマや映画、舞台に出演。「声をかけて下さったり、必要として下さるところに、僕でお役に立てるならと、そんな気持ちです」と50年近いキャリアながら謙虚な姿勢は変わらない。 

 ひと仕事終えたときの休暇や、膨大なセリフを籠って覚えるために、30年前から軽井沢へ来るようになった。10年前に旧軽井沢に別荘を持ち、四季を問わず訪れている。

 「鳥のさえずりを聞いたり、テラスで夕暮れを眺めたりしています。野菜が新鮮だし、何より水がおいしい」。

7月24日に軽井沢で開催される「一粒萬倍」に出演する。大賀ホールが会場というのも出演の決め手の一つになった。

 「歩いて行かれる距離。家からふらっと出て、横丁の劇場で一芝居打って、帰りがけに一杯。そんな1960年代の俳優みたいなことをしてみたいという夢がありました」と笑って話す。

邦楽洋楽の演奏と共に、長塚さんの語りで古事記を綴る内容だ。

 「古事記は話が荒唐無稽だけど、古代人の大らかさや、一生懸命に生きようとするロマンがある。この世には人の力の及ばないものがあって、日本は災害などでそれを感じることも多いけど、四季があり、海に囲まれている恵みもある。古事記には、そんな日本という国の礎や、特殊な立地の特殊な神話が描かれている。一つの文学として、大人も子どもも楽しんでもらえればと思います」

 趣味は読書と勉強。大河ドラマや歴史ものの芝居があると、大量に本を買って勉強する。今は古事記や日本書紀を買い込んで、読みふける日々だ。「結局、趣味が仕事になるのかな。横柄な言い方だけど」。

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