【軽井沢人物語】刺繍アーティスト 片岡 彩 さん
針先に宿るフランス仕込みの美
軽井沢から発信するリュネビル刺繍
特殊なかぎ針でビーズやスパンコールを縫い留め、緻密で華やかな作品に仕立てる──フランス発祥のリュネビル刺繍。そのブランドを展開し、作品を発表し続けている。ブランド名「SWIMAYA(スウィマヤ)」は「スイマー」と自身の名前「アヤ」を組み合わせた造語だ。小中高とシンクロナイズドスイミングに打ち込み、高校3年時にはジュニア日本代表にも選出された。より広い視野で世界を見てみたいと、高校卒業後にフランス・パリへ渡った。
ファッションやアートを学ぶ中、ショーや美術館で目にしたリュネビル刺繍は「伝統と自由なクリエイティブが混ざり合い、とても魅力的に映りました」。オートクチュール刺繍の名門校「エコール・ド・ルサージュ」で学び始めると、一気にその世界にのめり込んだ。
「もともとの手先の器用さを生かせる刺繍が、自分にとっての表現方法になり得ると直感しました」
その後、カタール王妃が経営するファッションブランドの刺繍部門を経て、2017年に帰国し「SWIMAYA」を立ち上げた。当初は販路開拓に苦労したが、展示会を重ねるうちに大手百貨店からも声がかかり、徐々に知られる存在となった。3年前からは東京でレッスンも行い、本場の技術を多くの生徒へ伝えている。いつかはフランスでの作品発表も視野に入れている。
「海外の人の反応も見てみたいですね。今までは一人で自由にやってきましたが、チームでなければ作れないものにも挑戦し、スウィマヤを育てていきたい」
地元・長野県内で、東京にもアクセスしやすいと、2018年より軽井沢に居住。生活の中で出会う多様な人との交流が刺激になっている。
「既成概念にとらわれない生活スタイルや価値観を間近に見ることで、そこから得られるイメージが制作するものに良い影響を与えてくれます」
4月1日から5月11日まで、軽井沢コモングラウンズ(中軽井沢)の書店内ギャラリーで展示販売会を開く。人気の刺繍巾着やアクセサリー、オブジェなど50点以上が並ぶ予定だ。
競技で培った集中力と、本場で磨いた技術。軽井沢での出会いを力に、針先から新たな表現の可能性を広げている。




